本記事は、高橋慶行氏の著書『月10万円を稼ぐ トレード1年目の教科書』（自由国民社）の中から一部を抜粋・編集しています。
1日数時間で日給を狙うFXトレード例
FXトレードは、1分足や5分足を使い短い時間で売買することで、注文から決済までを数分から数時間で完了させることができます。
このポジション保有時間は、スキャルピングトレード（スキャル）やデイトレード（デイトレ）などと呼ばれます。スキャルは、数分程度のポジション保有時間で、デイトレはポジションを持ち越さず、建ててから（注文してから）決済までを、原則寝る前に行うイメージです。
トレード中（2時間程度）は集中すること
トレード投資家に心得ていただきたいのは、FXをやる時には、ポジション保有中はパソコンやスマホから目を離さずに、注文から決済までを完了させることです。現実的には、「2時間程度」が1つの目安だと思います。2時間の間は、外出の用事があっても食事の時間があっても、トイレですら席を立たずに、画面に集中することが理想です。
2時間というと、5分足のローソク足なら24本です。この24本のローソク足の中で、数本から10数本程度の上げ下げが生じるようであれば、その波動を狙うというのが「5分足のFXトレード」です。
一方、1分足のローソク足なら、2時間は120本です。この120本のローソク足の中で、数本から10本、時には20本程度の上げ下げが生じるようであれば、その波動を狙うというのが「1分足のFXトレード」です。
5分足トレードの例
上図は2023年1月の米ドル円で、「もみ合いからの下放れ」を確認して注文し、下げ波動が終了すると思われるまで保有することで、約55pipsの値幅を獲得することができた例です。下ヒゲのある陽線が2本続き、高値と安値も切り上がったことを理由に決済した局面です。
55pipsの値幅を獲得するまでに要した時間は、約35分です。5分足でいえば、6～10本程度です。ここで1つの下げ波動が発生したということになりますが、仮に10万通貨で実践した場合は、5.5万円の利益となります。
FX会社によって多少の変動はありますが、10万通貨を米ドル円で扱うには、約50万円の証拠金が必要になります（FXはレバレッジ取引なので、実際にはより大きな余裕資金があるべきです）。
仮に5万通貨（約25万円の資金が必要）だと、55pipsは2万7,500円の利益ですし、1万通貨（約5万円の資金が必要）だと、5,500円の利益となります。保有時間は1時間未満ですから、時給換算で5,500円と見ると、会社員の平均的な日給以上だといえます。
上図は同じく2023年1月の豪ドル円で、「もみ合いからの上放れ」を確認して注文し、上げ波動が終了すると思われるまで保有することで、約53pipsの値幅を獲得することができた例です。上ヒゲのある陰線が2本続き、高値と安値も切り下がったことを理由に決済した局面で、2本目の陰線は「十字線」に近い形となっています。
53pipsの値幅を獲得するまでに要した時間は、約35分です。
50pips以上の値幅は大きな値幅ですが、仮に20pips程度であれば、東京、ロンドン、ニューヨーク市場の時間帯に待ち構えてトレードすることで、注文してから数分で十分獲得が期待できる値幅となります。
FXでは、1日の間の短い時間で、働いて稼ぐ日給以上の利益が期待できる投資スタイルが実践できます。
毎月、給料にプラスして数万円から数十万円があれば、経済的にも精神的にも安心感が増すという方は多いと思いますが、それが「トレード技術の鍛錬と向上によって得られる」というのは、大変魅力的だと思います。
FXは怖いと思い込んでいる方がいるとしたら、これを機会にぜひ、少額から実践してみていただきたいと思います。
勝ちやすい時間帯を選択する
FXトレードは、日本国内では土日と朝方の少しの時間を除いて、ほぼ24時間売買することができます。それで、ネット上では「いつでも、どこでも、好きな時に稼げる」という謳い文句を見かけることがありますが、正しくもあり、間違いでもあります。
為替が大きく動く時間帯で勝負する
たしかに24時間いつでも好きな時に、スマホ1つあれば売買できるのですが、「圧倒的に勝ちやすい時間帯」というものがあり、逆にいえば、プロであっても勝ちにくい時間帯というものもあります。
推奨している波動を利益にするトレードでは、前節のように1日のうちで2時間程度取引に集中できる時間を確保できれば、十分に日々利益を狙うことができます。しかし、ランダムにどの2時間を選んでもできるかといえば、「それは否」です。
勝ちやすい時間帯というのは、いい換えると、「値動きが活発になり、トレンドや波動が発生しやすい時間帯」です。
2時間、スマホやパソコンの画面に集中して、ローソク足1本1本の推移を見ていくと、トレンドや波動が発生するサインが生じることが多い時間帯があり、この時間帯「だけ」に集中してトレードをすることが重要です。
世界三大市場で狙う時間帯
1日のうちで勝ちやすい時間帯というのは、3つあります。それは、世界三大為替市場のロンドン市場、ニューヨーク市場、東京市場の前半2時間程度の時間帯です。
ロンドンやニューヨークではサマータイムがあるので、「冬時間」（標準時間）と「夏時間」があり、夏時間は冬時間より1時間早まります（図表11）。1日の流れに沿って説明します。
為替取引の中でも投機ではなく貿易などの実需取引の多い日本時間のチャンスは、「朝9時～10時頃」となります。そして、ロンドン時間は日本の夕方の時間帯からで、フランクフルトなどの欧州市場も重なる「16時～18時頃」が狙い目です。
最後に、ニューヨーク時間は日本の深夜で、チャンスの時間帯が「夜22時～24時頃」です。この時間帯はロンドン市場とも重なり、最も為替取引が活発な時間帯といって良いでしょう。
これらの時間帯は、トレンドや波動も発生しますし、比較的大きな値動きになるので、ATRも上昇します。ローソク足単位で数本から10本そこらで、まとまった値幅（数十pips程度）を狙うことができます。
また、2時間で前節のように、数本から10数本程度の波動を「淡々と狙う」ことを日課にすると、技術が身につき成績が安定しやすくなります。日課といっても、週数回、自分のライフスタイルに合わせて実践していただければ大丈夫です。
なぜ、このような時間帯があるかといえば、「世界中の銀行や証券会社、投資銀行にも営業時間があるし、そこに所属するトレーダーも勤め人だ」ということがあります。
欧米人が勤める会社にも出社時間・退社時間がありますし、ランチの時間帯もあります。
巨額な資金でトレードをするので、ポジションを持ったまま退社したり、休憩したりすることはできません。連休だってクリスマス休暇だってしっかりありますから、その前には損失を軽減するように、取引量を減らします。
このような人々の活動が右のような時間帯を形成し、トレンドや波動の発生しやすさにつながります。
私たちは「波動が発生したら、それについていき、もし外れれば早目に損切りする」という方針ですから、チャンスの時間帯に釣り糸を垂らして「待ち」、発生する日は売買するし、時には売買しない日があっても良い、くらいの気持ちで取り組むと良いと思います。
宮城県仙台市で教師一家に生まれる。成蹊大学経済学部卒業。
大学時代に学生起業、インターンシップ等に明け暮れ、特に税理士、会計士に接する日々を送り税金対策の重要性を知る。その経験から、「学校では学ばないけれど、日本で豊かに歩むためには大切だと思われる教育事業をやる」と決める。
社会人になりリクルート社の新卒斡旋サービスで営業に従事し、No.1表彰を受けたのちに2008年に独立起業。事業を継続する傍ら、「投資利益の課税が約2割」という税制面と自由度の高い収入源候補としての「投資」に関心を持つ。
2013年に、投資のエキスパート集団とともに投資の学校事業を創業するべく、株式会社ファイナンシャルインテリジェンスを設立。自らも投資家として活動する傍ら、投資教育事業と並行し、約10年で2万時間以上を費やし、安定的な利益が得られるようになる。主に退職直前、退職後のシニア層や空いた時間に自宅にいながら投資で生活の糧となる月収を作りたい会社員、主婦層が学び、2023年には、のべ15万人以上が受講する投資の学校事業へと成長する。
親が子供や孫のために正しく伝えるべき、お金や投資、自立のための総合的な教養を広めることがライフワーク。
著書に「12万人が学んだ投資1年目の教科書」「投資の学校」（いずれも、かんき出版）がある。 ※画像をクリックするとAmazonに飛びます
