アウトソーシングも有効?気になるコストと活用のポイント

IT人材の獲得方法としては、アウトソーシング(外部への委託)もある。業務自体を外部のプロに任せたり、ITに精通した人材を派遣してもらったりなど、依頼先によっては手厚いサービスを受けることが可能だ。

上記の方法と比べて、アウトソーシングは有効な手段と言えるのだろうか。

アウトソーシングと社内育成はどちらが効率的なのか?

一般的な情報システム業務を外注した場合、費用相場は月額で25~30万円程度と言われている。年間では300~360万円のコストになる計算であり、自社の運用体制が変わらない限りはこの支出が続いていく。

一方で、IT人材の育成コストは企業によって異なり、一人あたり50万円以上をかけている企業も存在する。仮に10人のIT人材を育成する場合は、それだけで500万円の支出になる計算だ。

一人前のIT人材を育て上げれば、社内育成ではその後のコストがかからない。情報漏えいのリスクも下がるため、適した環境さえあれば安心して人材を育てられる。

しかし、アウトソーシングにも最新技術を導入できる、従業員がコア事業に集中できるなど、軽視できないメリットがある。単純な比較は難しいため、自社ならではの課題や背景を踏まえて、目的により適した方法を選びたい。

全ての業務を外注することは難しい

企業にもよるが、ITに関連する全ての業務を外注することは難しい。アウトソーシングにも向かない業務はあるため、依頼する範囲は慎重に決めることが重要だ。

<アウトソーシングに向かない業務の例>
・プロジェクトの企画立案
・法務関連などの判断が必要になる業務
・特定の資格が必要になる業務

また、アウトソーシングを活用し過ぎると、社内にノウハウが蓄積されなくなる。実務を通して学べるITスキルも多いため、外注する範囲は育成計画も踏まえて判断しよう。

高度なIT人材はフリーランスにも多い

高度なIT人材は、フリーランスや個人事業主にも多く存在する。中でも専門的な案件をこなすフリーランスは、ITトレンドの変化にも敏感な可能性が高いので、アウトソーシングよりも安心して業務を任せられるかもしれない。

そもそもフリーランスとは、特定の企業や団体などに属さず、案件ごとに契約を結ぶような人材を指す。通常の正社員と比べてどのようなメリット・デメリットがあるのか、以下で簡単に整理しておこう。

フリーランスに依頼するメリットフリーランスに依頼するデメリット
・即戦力の人材を確保できる
・業務量に合わせて増員できる
・社内の業務負担が減る
・稼働までのスピードが速い
・依頼範囲にしかコストがかからない
・契約を継続してもらえるか分からない
・個人によって品質に差がある
・情報漏えいのリスクが高まる

契約によってはコストも抑えられるが、フリーランスには特有のデメリットやリスクもある。全ての業務を任せることは現実的ではないため、業務の一部のみを委託したり、アウトソーシングと組み合わせたりといった工夫が必要だ。

また、高度なフリーランスを見つけるには、人材サービスの選び方も意識しておきたい。専門分野や技術者のレベル、未経験率などが異なるため、各サービスの特徴はあらかじめ確認しておこう。