契約者転出に歯止めがかからないNTTドコモ

一方、NTTドコモは、下期の重点施策として、「ドコモ光」の導入や新料金プランの普及を掲げている。NTT東西の光回線とのセット割引を2015年2月に開始する予定となっているものの、他社への契約者転出に歯止めがかかるのか、新たな契約者の獲得に繋がるかなど、施策への不安は大きい。NTTドコモは、昨年秋にiPhoneを導入したものの、他社への契約者転出に歯止めがかからず、転出超過の状態が続いている。
更に、ドコモの重荷になっているのが、6月に導入した通話定額などの新料金プランだ。音声通話のヘビーユーザーが先行して新料金プランに移行、音声ARPU(契約者1人当たりの平均月間収入)の低下圧力になっていることに加え、容量の小さいデータプランを選択するユーザーが多く、振るわなかった。
NTTドコモの状況は悪化の一途を辿っている原因の一つにマーケットの変化に迅速に対応できない、旧来からの「電電公社」体質も問題とされており、組織体質の改善も今後の課題である。




楽天、イオン参入も…競争激しい携帯業界

好業績を維持するソフトバンクとKDDIに対して、一人負けのNTTドコモは、減収減益を受けて格付け会社から『業績悪化は信用評価上ネガティブ』との指摘も出ている。手元資金の潤沢さが評価され、格付けは『Aa2(ダブルAに相当)』で据え置かれているものの、今後の業績悪化の懸念は高まるばかりである。

しかし、NTTドコモは6日に、10カ国語に対応したスマートフォン向け翻訳アプリサービス『はなして翻訳』について、訪日外国人観光客の増加に伴って海外向けサービス「Jspeak(Jスピーク)」として、10日から提供を開始すると発表しており、新しいサービスを提供している。

近年、格安スマホへの楽天 < 4755 > やイオン < 8267 > といった他業種の参入も激しくなってきており、業界の競争は増す一方である。時が経つにつれ競争環境の激化が避けられない中、携帯3社は、それぞれ独自の戦略を模索しながら、今後の成長を勝ち取っていかなければならない。
ソフトバンクの投資、KDDIので電子マネー業界の参入そして、NTTドコモの新サービス。今後ますます、携帯大手三社の動向に注目だ。

(ZUU online)

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