レジリエンスを高めるビジネス面でのメリット
レジリエンスを高めることは、ビジネスにおいて多くのメリットをもたらす。以降では、具体的にどのようなメリットがあるかを見ていこう。
変化が大きい部署の社員の負担を軽減できる
レジリエンスを高めると、変化の激しい部署の社員は変化に柔軟に対応し、ストレスや不確実性に対処する能力が向上する。レジリエンスの向上により、社員の心理的負荷を軽減し、生産性やモチベーションの維持などが実現可能だ。
困難に強い企業に成長できる
レジリエンスの高い企業は、困難な状況においても柔軟かつ迅速に対応し、持続的な成功を収めることができる。変化や競争の激化による課題や障害を乗り越え、成長する能力を持つことで、市場での競争力を強化し、持続的な企業の発展も期待できるだろう。
社内の人間関係改善
レジリエンスを高める取り組みは、社内の人間関係改善にも寄与する。レジリエンスの高い個人は、ストレスへの対処力が高く他者への理解やサポートの意識も高くなる。その結果、協力やチームワークが促進され、社内のコミュニケーションや協働性が向上するだろう。
総じてビジネス面でのレジリエンスの高まりは、部署の社員負担の軽減、企業の困難への対応力強化、社内の人間関係の改善など、さまざまなメリットをもたらす。これらの要素は、持続的な成功と成長に不可欠だ。
レジリエンスのある人・ない人の特徴
では、具体的にレジリエンスのある人とない人には、どのような特徴があるだろうか。
レジリエンスのある人
レジリエンスのある人は、プラス思考と前向きな態度を持ち、失敗や困難を学びの機会として受け入れる特徴を持つ。なぜなら彼らは、自己効力感と自己信頼を持ち困難に立ち向かう自信があるからだ。また彼らは、ストレス耐性が高く適切にストレスを管理することができる。柔軟性があり、変化に対応する能力が高く他者との関係を築きながらストレスを克服することも可能だ。
さらには意義や目的を持ち、自身の価値観に基づいて行動できる。
レジリエンスのない人
レジリエンスのない人は、困難やストレスに対して消極的な態度を示し、失敗や困難を否定的に捉えがちだ。彼らは、自己効力感や自己信頼が低く困難に立ち向かう自信に欠ける。ストレスに弱く適切にストレスを管理できず、変化に対する適応力も低いため、新しい状況に固執が見られる傾向だ。社会的なサポートを受けることに抵抗感があり、孤立感を抱えることが多い。
また意義や目的を見出せず、行動の方向性があいまいになりがちだ。
6つのレジリエンスコンピテンシー
6つのレジリエンスコンピテンシーとは、困難や逆境に対処し、回復し成長するための重要なスキルや能力だ。それぞれのコンピテンシーを開発し、総合的に取り組むことで、よりレジリエンスな思考と行動を身につけることができるだろう。以下では、6要素を列挙する。
- 自己認識
- 自制心
- 現実的楽観性
- 関係構築力
- 自己効力感(キャラクター・ストレングス)
- 精神的柔軟性
・自己認識
自己認識は自身の感情や反応を理解し、自己管理はそれらを適切に制御する能力だ。自己認識を高めることで自身の強みや弱点を把握し、自己管理を通じて感情やストレスへの対処法を選択できるようになる。
・自制心
目標を実現するための努力を継続する能力だ。目標を明確に設定し、達成するための戦略を持つことで達成感を味わい、自信を養うことができる。
・現実的楽観性
安易な楽観主義ではなく、現実に即した形で前向きな気持ちで行動できる能力。この能力があれば、一見して困難に見えることでも突破口を見出そうと前向きな姿勢で問題に取り組める。
・関係構築力
他者との関係を築き、支えを受けたり相談したりする能力。他者との結びつきや信頼関係を構築し、助けを求めることで孤立感やストレスを軽減し、回復力を高められる。
・自己効力感
プラス思考や希望を持ち、困難な状況に対して前向きな意味を見出す能力。ネガティブな思考パターンを払拭し、課題や挫折を成長の機会と捉えることで希望を持ち、回復力を高めることができる。
・精神的柔軟性
変化に対して柔軟に対応し、新しい状況に適応する能力。固定的な考え方や習慣に固執せず、変化に対して柔軟な対応をすることで、ストレスや逆境に対処できる。
これらは、いずれも個人が困難や逆境に対処し、回復し成長するために重要なスキルや能力だ。それぞれのコンピテンシーを開発し、総合的に取り組むことで、よりレジリエンスな思考と行動を身につけることができるだろう。