本記事は、横山 光昭氏の著書『お金を貯められる人のすごい習慣』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

Financial for health concept
(画像=PiyawatNandeenoparit / stock.adobe.com)

「体が資本」を意識している

「健康第一」を地で行く

お金を貯めている人を見ていると、「体を大事にしているな」という印象を受けます。「体が資本だ」と考え、意識しているところが強いのです。特にタバコを吸う人の割合は非常に少ないです。喫煙する習慣があるかどうかをたずねようとして、「タバ……」と言った時点で、食い気味に「吸いません!」と返答されることも多いです(笑)。

睡眠の質を大事にしている方も多いです。自分の体型に合ったマットや枕をこだわって選んでいることも。いろいろなサプリメントを摂取していたり、パーソナルトレーナーをつけていたり、時折「そこまでやる必要はあるのかな?」と思えることもありますが、それだけ健康に意識を向けているということでしょう。運動と睡眠と食事をバランスよく。一見、当たり前のように思えることを普通にやっている印象が強いです。

老後の3Kは「金」「健康」「孤独」と言われます。健康でいることによって、医療費や薬代、入院費などが必要なくなりますから、経済的な面からも大事な要素ではあります。そこまで意識しているわけではないかもしれませんが、本格的な老後を迎える前から、自分の体に目を向け、準備しているともとらえられるでしょう。

歯のメンテナンスは怠らない

意外なところでは、「歯」のメンテナンスをしっかりしている人が多いです。歯科医院で定期的なメンテナンスを行っている方の割合が高いです。「持病などで、病院に定期的に通っているところはありますか?」と聞くと、「特に持病はありませんが、歯科医院には3カ月に1回行っています」とおっしゃるのです。

老後になってから、「歯の手入れをもっときちんとしておけばよかった」と悔やむ方もいると聞きます。自分の歯を使ってものを食べられることが長寿の秘訣なのかもしれません。

80歳になっても全部で32本ある自分の歯のうち、20本以上は残っている状態を保とう、という「8020運動」があります。日本の平均では、70歳以上の平均的な歯の数は20本以下だそうです。

自分の歯が20本以下の人は認知症を発症するリスクが高いことがわかっています。また、自分の歯が20本以上ある人にくらべて、自分の歯が19本以下で入れ歯をしていない人は転倒するリスクが2.5倍に高まるそうです(2018年「日本転倒予防学会誌」山本龍生氏、歯科から考える転倒防止)。それだけ歯は重要な要素なのですね。

健康食品、サプリメント――貯められる人の使い方

お金を貯められない方の中にも、健康食品やサプリメントを毎月大量に買っている人がいます。同じ行動なのにお金が貯められる人もいれば、貯められない人もいます。その違いは何でしょう?

それは、「毎月きちんと消費している」という点ではないでしょうか。貯められる人がそれらをしっかり消費している大きな理由のひとつに、「自分で『これを飲む』と決めたから」というのがあります。

一方、お金が貯まらない人の多くは、「テレビCMでやっているのを見て、なんとなく買ってみた」「無料お試しを申し込んだら、いつのまにか無料期間が過ぎてしまい、毎月配達されるけれどいまだに解約できていない」「友達にすすめられてなんとなく断れず、頼んではみたけれど……」など、なし崩しに注文しそのままずるずると続いているパターンが多いです。「自分で欲しくて買っている」「自分で決断した」という明確な理由がある分には問題ありませんが、「なんとなく頼んでいる」という場合には購入を再考したほうがいいかもしれません。それが余計な支出のひとつになっている可能性が高いからです。

ココがポイント!:
貯めている人は、食事、睡眠、運動にも意識が高い。
すべて自分で「これをやる!」と決めている

「計算」が習慣になっている

お得セット、ホントにお得?

「特売」「限定価格」「送料無料」「2個買うと1個無料」「実質無料」「特別ご奉仕」「お買い得」「本日限り」などなど、安さを売りにした言葉は街のいたるところで見かけますよね。

一見お得そうに見える商品もありますが、よくよく調べると実はたいしてお得ではないケースはけっこうあります。

たとえば、「〇〇円以上送料無料」もそのひとつです。

ネット通販の場合、届けるためには宅急便か郵便、自社配送などを利用しますから、必ず配送料はかかります。送料無料の商品だからといって、宅急便代や物流費などがゼロ円ということはありません。必ずコストはかかっているのです。ネット通販業者も配送業者も、ボランティアをしているわけではなく商売をしているわけですから、無料とうたっている送料を別のところで徴収しています。つまり、商品に送料分の金額がのっているということです。

また、「1万円以上送料無料」の場合、その金額に満たない場合には、たいして欲しくもないものを買ってでも、1万円以上にして無理やり送料無料にしようと考えがちです。こうして、結局は不要な支出をすることになってしまうのです。

「単価」で計算してみよう

貯められている人は、支払う金額について「計算」して考えるクセがついています。たとえば、スーパーで安売りや大容量のお得サイズの調味料を見たとき、「単価だといくらになるのか?」をまず計算します。そして、100ml当たりの値段で通常の商品と比較してみるのです。すると、さほど安くないこともよくあります。

また、サブスクなど月単位での支払いの場合には、「年間で考えるとどうなるか?」を計算しています。月々で見ると安く感じるけれど、年額だとけっこうな金額になることも多いです。

次に、「その商品を本当に使うのか?」も考えます。もし、それほど量を使わないものであれば、大容量を買ったところで使い切らずに終わる可能性も高いです。それではムダですよね。であれば、大容量ではなくレギュラーサイズを買ったほうが、最終的には得ではないでしょうか。

同じように、飲み放題なども「安い!」と飛びつくのではなく、冷静に考えて本当に元を取れるだけの量を飲めるのか? 自分の飲みたいものがあるのか? を冷静に考えます。もしかすると、好きな飲み物を都度頼んだほうが安くあがる場合もあります。それに好きなものを飲んだほうがおいしいですしね。

つまり、目先の数字にとらわれず、計算してみることが大事だというわけです。

ココがポイント!:目先の数字にだまされない。「単価」「年額」などに変換して考えてみよう

お金を貯められる人のすごい習慣
横山 光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント。
株式会社マイエフピー代表取締役。
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。
これまでの相談件数は23,000件を突破。各種メディアへの執筆・講演も多数。
著書は85万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計340万部となる。
個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

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