本記事は、横山 光昭氏の著書『お金を貯められる人のすごい習慣』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

リボ払いの内容に関する契約書の記載
(画像=umaruchan4678 / stock.adobe.com)

お金がない!のループから抜け出す方法

リボ払いは金利手数料15%

お金がないと、たとえば突然洗濯機が壊れた、病気が発症して入院、手術が必要になったなどで少し大きな予想外の出費が必要になったときに出すことができません。結局、クレジットカードの分割払いやリボ払いを使わざるを得なくなることも。

リボ払いは毎月一定額だけ支払うから負担が軽くて済むように思えるかもしれませんが大間違いです。リボ払いは残金に対して、平均15%程度の金利手数料がかかってきます。返済が長期化すればするほど、手数料を多く支払うことになります。

たとえば、20万円のバッグを購入し、月1万円ずつ支払った場合、金利手数料は
20万円×0.15÷365日×30=約2,466円です。つまり、1万円を返済しても、そのうち、2,466円は金利手数料に取られ、実際には7,534円しか返済していないということになるのです。また、リボ払いの恐ろしいところは、月々の支払い額を低く設定できることから、ほかの買い物もできてしまい、ついつい買いすぎてしまうことです。

分割払いにも注意が必要です。たとえば、スマートフォン(スマホ)を月数千円の分割払いで購入することができます。金利手数料0という場合もありますが、よく選ばないと金利がかかってくるものもあります。このように、「見た目」の数字につられて買ってしまうと、失敗する可能性が高くなります。1回くらいなら大丈夫、と思っていると、それがクセになります。それが何回、何十回と積み重なっていくうちに、次第に家計に影響を与えるようになるのです。じわじわと影響が来るのが、分割払いやリボ払いのおそろしいところです。

リボ、分割払いのループから抜け出すには?

リボ払いや分割払いのループに入ってしまうと、そこからなかなか抜け出せません。私はそのような人たちを数多く見てきました。お金を貯めたいと思っても、毎月の支出が多くなるので、家計を黒字にするのがなかなか難しくなります。そのようなときに今度は冷蔵庫が壊れて新しいものを買わざるを得なくなった場合、ふたたび分割払いやリボ払いをせざるを得なくなるのです。本来ならば「貯める」お金から出すべき支出ですが、その貯えがないとこうしてリボと分割のループをさまようことになってしまうのです。

Tさんは分割払いとリボ払いのループにどっぷりとハマり、トータルで400万円近くの返済に追われていました。あるとき、「この沼から抜け出したい!」と本気で思い、そこから2年間で500万円貯めました。Tさんの本業の就業形態がシフト制だったので、休みの日にはアルバイトをいくつも掛け持ちしたのです。かなりストイックに働くことで、お金を使う時間をつくらないようにもした、と後にTさんは言っていました。

ここまで強力にやる必要はないかもしれませんが、逆にこのくらいの覚悟がないとこのループからは抜けられないということかもしれません。

もし、分割やリボ払いを使ってみようかな、と思っている人は、どうかループに陥らないように十分注意してください。できれば、使わないことをおすすめします。

クレジットカードを利用なら一括払いで。それから、やはり貯金は「いざ!」というときに必要になりますから貯めておきましょう。貯金がないと、余計な金利手数料を支払ってでもリボ払いを利用しなければならない羽目に陥り、結果として貧乏になるばかりです。

ココがポイント!:老後貧乏に陥らないために……うかつに分割やリボ払いには手を出さない

貯金が減るのが怖い

貯金があるのに、なぜかキャッシング

相談にいらしたUさん。キャッシングなどで50万円ほどの借金があります。「ということは、貯金はゼロなんだろうな」と思っていました。ところが話を聞いてみたら、貯金は200万円以上あるというのです。聞けば、貯金の200万円を減らしたくなくて、キャッシングをしたというのです。

このほか、リボ払いの残高が300万円あるけれど、貯金は500万円ある、という方もいらっしゃいました。「返していったら、貯金が減るのはわかっている。けれど、それはイヤなのでリボ払いを利用した。別にそこまで急いで払う必要もないかと思って」と言います。

このように、お金が貯まらない人の中には、貯金があるのにそれを使わず、リボ払いや分割払い、キャッシングを利用する人もいます。「貯金が減るのが怖い」というのです。

先にもお話ししましたが、リボ払いには平均で約15%の金利手数料がかかりますから、残高300万円ということは、計算すると、300万円×0.15÷365×30=約3万7,000円を余計に支払っていることになります。

さらに、シミュレーションしてみると、300万円を完済するのに100万円くらいの金利を払うことになる計算です。リボ払いには「金利がある」ということに目が向いていないのかなと思います。

貯金は必要なときに引き出すもの

貯金は貯めるだけが目的では決してありません。

そもそも、お金は使うためのものだからです。ですから、必要なときには貯金を利用するのは決して悪い使い方ではありません。せっかく貯金がありながら、リボ払いやキャッシングに走るのは本当にもったいないことです。先にもお話ししましたが、リボ払いや分割払い、それからキャッシングはできる限り使わないこと。自分の収入の中で支払いをし、完結させることが大事です。

ココがポイント!:
貯金がない→リボ払い→ますます貯金できない→リボしか利用できない……の無限ループにご用心

お金を貯められる人のすごい習慣
横山 光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント。
株式会社マイエフピー代表取締役。
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。
これまでの相談件数は23,000件を突破。各種メディアへの執筆・講演も多数。
著書は85万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は累計340万部となる。
個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

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