この記事は2023年11月29日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Maksym Yemelyanov/stock.adobe.com)

2023年11月29日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

ドル相場の風向きが変わるかもしれない。昨日28日(火)の夜、ウォラーFRB理事が数カ月後の「利下げ」に言及しており、タカ派の同氏から利下げについて積極的な発言が出てきたことはサプライズ。

正直、利下げに対して楽観的なマーケットを引き締めにくると思っていただけに驚いている。これまでFRBのボードメンバーからは「利下げの議論は時期尚早」と繰り返してきただけに、今後増えるかもしれない利下げへの言及は、FRBのピボットをダイレクトに織込む材料になるだろう。

とりわけ今週は明日30日(木)に米PCEデフレーター物価指数、明後日12月1日(金)にパウエルFRB議長の発言が予定されている。FRBの利下げを連想させる材料に敏感な相場を想定しておきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ウォラーFRB理事の利下げ発言がFRBの総意かどうかわからないため、週末のパウエルFRB議長発言までスウィング以上のポジションに関してはスクエアにしておきたい。

FRBの利下げ開始自体は当面先だろうが、仮にパウエルFRB議長を含め、ボードメンバーからも利下げ絡みの言及が増えれば、ドル売り圧力が強まる。

昨年末の米ドル/円は、為替介入後から日銀のYCC修正手前までにおよそ10円下落した。この間、米ドル/円の下落をけん引したのは円高よりもドル安だった。

FRBが利上げを止めたわけではないが、インフレ鈍化と利上げペース減速を織込んだドル売りだ。FRBの利下げを織り込む動きが始まれば、当時と同程度の下落には備える必要がありそうだ。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。