この記事は2023年12月5日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=whyframeshot/stock.adobe.com)

2023年12月5日(火)の午後12時半に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

米ドル/円日足のチャートを見ると、90日移動平均線と一目均衡表の雲を下抜けしており、昨日4日(月)、146.22円付近の安値をつけている。これはやはり米国の利下げの前倒しイメージが非常に強まっていることを受けての動きだろう。

パウエルFRB議長は否定はしているものの、利上げはもうできない状況となっている。当初、2024年度内は利下げはないといわれていたが現在、「2024年5月に25bpの利下げ実施」がマジョリティになってきている。

また5月だけではなく、3月にも利下げの可能性が強まっており、日に日に利下げ前倒しの見方が強くなっている。Fedウォッチをみると、現状は5.25~5.50%だが、そこから3月に5.00~5.25%へ25bpの利下げという見方が50.4%と最も多く、5月は3月に利下げしたら据え置きという見方が44.7%だ。

また来年3月4月には日銀がゼロ金利を解除してYCCの修正を入れることが考えられるため、日米金利差が縮む予想。以前5%まであった米10年債の利回りも先週1日(金)には4.20%付近まで下がっており、この低下はかなり大きい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは144.50~148.00円。90日移動平均線が本日5日(火)ベースで148.03円付近、雲の下限が148.08円付近に位置しており、148円ラインはこれらによって上値を抑えられると考え予想上値に設定。

また下はもし146円を割ると145円も割るかもしれず、ダウンサイドリスクには要警戒。そのため146円付近まで下落した際は、いったんショートポジションを手仕舞って、まだ下がるようなら再入場という形をとっていきたい。

戦略的にはテクニカル、ファンダメンタル両面から強まるドル売りの流れに乗るしかなさそうだ。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。