この記事は2023年12月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=TMLsPhotoG/stock.adobe.com)

2023年12月13日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週7日(木)、植田日銀総裁が参院財政金融委員会にて「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことで、年内のマイナス金利解除が意識され急激な円高に振れた。

米ドル/円はストップを巻き込み一時141円ミドルまで6円弱の急落となるも、週明けには「今月会合でのマイナス金利解除、急ぐ必要ない認識」との日銀関係筋の報道もあり、146円台まで再浮上するなど、高ボラティリティの荒れた展開となっている。

日銀関連のヘッドラインから荒れた値動きとなる中、明日14日(木)日本時間未明はいよいよ年内最後のFOMCを迎える。引き続きマーケットは来年の米利下げを前のめりに織り込んでおり、どこまでFRBと市場とのギャップが示されるかに注目したい。

このほか、今週は14日(木)に英BOEと欧ECB、週末15日(金)には欧米PMIなど申し分ないラインナップであり、丁寧についていきたい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今回のFOMCは、政策金利は据え置きが確実視されており、パウエル議長の発言や四半期に一度のドットチャート(FOMCメンバーの金利見通し)から、FRBの利下げ見通しが焦点となる。

現時点で市場は「年末まで5回の利下げ」を織り込んでいる一方、FRBは前回9月のドットチャートで「来年中、1回から2回の利下げ」を示している。今回利下げ回数増加の可能性はあるにしても、市場の想定までドットチャートが下がってくることは考えられない。

また、足元の米指標などを踏まえれば、パウエル議長が大きくスタンスを変えてくる要素もないだろう。織り込みに対しては「タカ派」な内容になりそうなため、ドル買いインパクトは考慮しておきたい。ただ、仮に「タカ」だったとしてこれらを市場が素直に受け止めるかは不透明。

米ドル/円はボラティリティが高いこともあり、上下にヒゲを付ける値動きになってしまう可能性もありそうだ。

▽米ドル/円 の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。