この記事は2023年12月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年12月13日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
先週7日(木)、植田日銀総裁が参院財政金融委員会にて「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことで、年内のマイナス金利解除が意識され急激な円高に振れた。
米ドル/円はストップを巻き込み一時141円ミドルまで6円弱の急落となるも、週明けには「今月会合でのマイナス金利解除、急ぐ必要ない認識」との日銀関係筋の報道もあり、146円台まで再浮上するなど、高ボラティリティの荒れた展開となっている。
日銀関連のヘッドラインから荒れた値動きとなる中、明日14日(木)日本時間未明はいよいよ年内最後のFOMCを迎える。引き続きマーケットは来年の米利下げを前のめりに織り込んでおり、どこまでFRBと市場とのギャップが示されるかに注目したい。
このほか、今週は14日(木)に英BOEと欧ECB、週末15日(金)には欧米PMIなど申し分ないラインナップであり、丁寧についていきたい。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今回のFOMCは、政策金利は据え置きが確実視されており、パウエル議長の発言や四半期に一度のドットチャート(FOMCメンバーの金利見通し)から、FRBの利下げ見通しが焦点となる。
現時点で市場は「年末まで5回の利下げ」を織り込んでいる一方、FRBは前回9月のドットチャートで「来年中、1回から2回の利下げ」を示している。今回利下げ回数増加の可能性はあるにしても、市場の想定までドットチャートが下がってくることは考えられない。
また、足元の米指標などを踏まえれば、パウエル議長が大きくスタンスを変えてくる要素もないだろう。織り込みに対しては「タカ派」な内容になりそうなため、ドル買いインパクトは考慮しておきたい。ただ、仮に「タカ」だったとしてこれらを市場が素直に受け止めるかは不透明。
米ドル/円はボラティリティが高いこともあり、上下にヒゲを付ける値動きになってしまう可能性もありそうだ。
▽米ドル/円 の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。