この記事は2023年12月20日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年12月20日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。
現在の為替相場の傾向や相場観
早いもので今回の投稿で本年最後のコラムとなるため、来年を展望してみたいと思う。
一般的には、来年2024年は4年ぶりに円高となるのではという意見が増えている。その要因は金融政策の逆回転。具体的には日本銀行が世界最後のマイナス金利政策から脱却する一方、海外の主要中銀が利下げに向かうことで、来年は円高が進むという見立て。
実は昨年末も同様な意見が多数。ただそれは2月の段階で大きく修正を余儀なくされた。その要因は日銀。1年前、多くのトレーダーは日銀の植田和男新総裁が超金融緩和政策を解除するかもしれないと考えていたが、実際日銀は全く動かなかった。
しかし本日20日(水)午前11時頃の時点では数カ月以内に政策転換が訪れるとの見方でエコノミストは足並みを揃えている。日銀執行部も将来の緩和解除の意味合いについて公に論じているようだ。
現在の為替相場の戦略やスタンス
来年2024年の円高の深さについてだが、これは米国の連続利下げの見立てによって変わってくる。今のところ132~135円程度円高が進むのではないかという意見が増えてきている印象。
繰り返しになるが、今年2023年は2月早々に、円高予想が崩れ始めたため、来年2024年も日米中央銀行の金融政策の変化に留意し、変化があれば見通しを修正しながらうまく乗り切って行きたいところだ。
▽米ドル/円 週足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。