本記事は、坂本正勝氏の著書『生命保険営業大全』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています。

学ぶ
(画像=FAMILY STOCK / stock.adobe.com)

先生、上司、お客様から学ぶ

新入社員が入社してくると、必ず次の質問をします。

「もし、今の頭脳や知識を持った状態で7歳(小学1年生)に戻り、勉強をやり直したら東京大学に合格すると思う?」

東大を卒業した人に同じ質問をすると、10人が10人、「それはやってみないとわからない」と答えます。「あのときはたまたま受かったけど、今度受けたら合格するかはわからない」と。なぜ、そう答えるかといえば、実際に東大を受験しているので、東大のレベルも自分のレベルも知っていて、客観的な目で分析できているからなのです。

しかし、東大を卒業していない人は10人が10人「受かると思う」と答えます。理由は、当時よりもさまざな知識や経験を重ねているからだといいます。しかし、本当にそうでしょうか? 東大に受かるために必要なのは、確かな基礎学力や知識の上にある応用力です。

ところが、私たちは今自分がどんな位置にいて、どんな能力があって、何が足りないのかを客観的に把握し、分析することをついおろそかにしがちです。基本的な知識や自分にとって本当に必要な知識よりも、上辺だけの知識やその場しのぎの情報、流行りばかり追い求めてしまうところがあります。

だから、一度ちょっと立ち止まって、これまでに先生、上司、お客様からどれだけ多くのことを学んできたかを思い出してみましょう。私は営業で回るなかで、縁側でおしゃべりしているおじいちゃん、おばあちゃんたちから戦時中の話を聞いたことがありました。特に、おじいちゃんを戦争に送り出したおばあちゃんたちの話は非常に貴重で、その後、生保営業するなかでおおいに役立ちました。

たとえば、戦時中の話は現代に生まれた私たちにはとても想像もできないくらいのつらい内容でした。食糧難になったときには草木を煮て食べた、たった一つのサツマイモをすってスープにして栄養補給をした、子どもが遊ぶ玩具などがない時代、野山にある草木でおもちゃ代わりのものをつくったなど……。壮絶な体験をされた方からのお話を聞くたびに、「今は何と幸せな時代なんだろう」と考えさせられました。また、そのような厳しい時代を生き抜いてきた方たちにはみな、「どんな状況にあっても、みんなで生き抜いていくのだ」といったエネルギーと実際に生き抜くための知恵があります。

そういった知恵や生き抜く力は、私たちやもっと若い世代の人たちにも必要なものだと思うのです。自分のアンテナをもっと伸ばして、さまざまな年代の方から積極的に何かを学ぶ姿勢を持ちましょう。

知らないことを知ったとき、できなかったことができるようになったときの喜びは最高です。そして、何かを学んだり教えてもらったりしたら「ありがとう」という感謝の気持ちを忘れずに。それらは必ず自分の実力になります。

うれしいことに、生保営業はお客様を選ぶことができます。自分の求めるジャンルのお客様を積極的に選んで、アプローチしたってよいのです。どんどんチャレンジして、自分を高めていきましょう。

共感力で話のリズムをつくる

共通の話題があると話が盛り上がりやすいですよね。とはいっても、共通点を見つけるのはそう簡単ではありません。そこで、「共通の話題」を「共感できる話題」と置き換えて考えてみるとよいでしょう。

上手な生保営業は「〇〇さんがおっしゃること、よくわかります」とうなずきながら話します。お客様の言うことに共感し、話を合わせていくんですね。でも、まったく共感できないことにまで無理に話を合わせていく必要はありません。その違和感にお客様も気づきますし、なによりお客様もうれしくありません。

共感できる話題ですから、「お客様も自分自身も共にうれしくなること」が大切です。そのためにはストーリーが必要だと私は思います。

イメージとしては、ゲームの中にお客様にそっくりの「アバター」がいて、それがストーリーを繰り広げていく感じです。主人公はお客様、生保営業は実況解説です。「もしこれから何もしなかったらこんなふうになります」「何か努力したり、ちょっと考え方を変えたりしたら、もっと楽しい人生になります」と解説しながら、お客様にシミュレーションしてもらうのです。

具体的にはこのような感じです。

「今、こんな保険に入っています。思わず『あちゃー!』と言ってしまうような残念な保険です」「これは見直したほうがいいな。でも、それには加入のきっかけになった知り合いのおばちゃんと戦う必要があります。ここでしっかり考えを持ったら幸せが待っています。さあ、どちらの道を選ぶ?」というようなストーリーになるでしょう。

もちろん、このままの言葉でお客様に伝えるわけではありませんが、話の展開の仕方としてはこんなイメージです。もし、お客様が「戦って乗り越える道を選んだ」なら、そのときにはじめて新たに保険を紹介します。

会話はお客様に無理に合わせるのではなく、同じ立ち位置で、同じ気持ちを味わえることが大切です。

生命保険営業大全
坂本正勝
株式会社ALM 代表取締役
株式会社タッチ&ゴー 代表取締役

1967年生まれ、大阪府出身、大阪工業大学工学部中退
1986年、旧郵政省京都山崎郵便局入省。郵便配達から郵便貯金、簡易保険 まで幅広い業務に携わる。その後、異動した東大阪の枚岡郵便局、布施郵 便局で、1993年から1997年の約 3 年半の間、簡易保険の営業に携わり、最 高優績者、国際優績者として年間表彰される。 1997年、近畿郵政局保険事業部営業推進課に異動。営業推進、営業企画の ほか営業教育を担当。その後、尼崎郵便局保険課でプレイングマネジャー として業務に当たるなか、その実績が認められ、全国一のトップセールス として、イギリス、オランダでの海外研修にも参加。 その後、中京郵便局部長、住之江郵便局部長、日本郵便株式会社近畿支社 営業本部営業教育担当係長を歴任。 長きにわたり指導官の認定に携わるほか、新入社員研修や営業向上研修な ど、数多くの研修プログラムを企画・運営。これまで 2 万人超の育成に当 たる。 2010年、店舗型生命保険販売を行う株式会社ALM(保険相談ショップ アル ム)を設立し、代表取締役に就任。「売り込まない営業」でお客様に明るい 未来を提供することをモットーに、自社社員の教育を行うほか、生命保険 会社主催の講演会や、自社主催で全国の生命保険募集人に各種営業研修を 通年実施している。
2023年MDRT(TOT)会員

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