現役引退後に「第二の人生の時間を使って海外旅行を楽しみたい」と考える人もいるのではないだろうか。さまざまな国へ行って観光地を巡るのも良いが、お金では買えない心の豊かさを得られる海外ボランティアを体験することもおすすめだ。

本記事では、シニアになってから海外でボランティアをする方法や、シニア期に重要だと認識しておくべきことなどについて解説する。

海外を満喫する方法は旅行だけではない

第二の人生で海外を満喫するなら「シニア海外ボランティア」という選択肢も
(画像=Rapeepat / stock.adobe.com)

海外旅行に行く場合、当然国内旅行に比べて日数がかかる。そのため、会社を退職してから第二の人生で海外旅行を満喫したいと考えている人は少なくないはずだ。

基本的に海外旅行はエンターテインメントであるため、楽しく刺激を受けながらその時間を充実したものにできる。しかし、お金では買えない心の豊かさを得たい場合は「シニア海外ボランティア」という選択肢もある。

「海外に行く」という意味では同じだが「何をするか」を変えるわけだ。海外ボランティアをすると、より現地の人々や文化を身近に感じることができ、海外旅行よりも深くその国を知ることができる。

「シニア海外ボランティア」にはどうすればなれる ?

シニア海外ボランティアになるための一般的なアプローチを3つ紹介する。

JICA海外協力隊 (一般案件) に応募

独立行政法人の「JICA (国際協力機構) 」では、一般案件として応募が可能な「海外協力隊」の対象者が46~69歳となっている。自分が持っている技術や経験、知識を活かして職種を選んで応募する形だが、後述する「シニア案件」よりは技術・知識に対する高い専門性は求められない。

JICA海外協力隊 (シニア案件) に応募

JICAにおける海外協力隊の区分の一つに「シニア海外協力隊」というものがある。こちらの応募対象年齢は20~69歳で、一般案件の海外協力隊よりも高い技術や知識を保有していることが条件だ。

ほかの団体のボランティア募集に応募

海外ボランティアといえば、上述したJICAの海外協力隊が非常に有名だ。しかし、そのほかにもアジアやアフリカ、中南米、大洋州、中東などで活動する日本の非営利団体がボランティアを募集しているケースがある。英語を話せる場合は、海外のボランティア団体の募集に応募するのも一つの方法だ。

待遇や手当はどれくらい ?

JICAの海外協力隊の場合、受け入れ国に滞在中は「日当」が支給される。これは、生活費としての支給で給料や報酬という位置づけではない。金額は、受け入れ国や派遣期間によって異なるが、月8~13万円程度となっている。そのほか宿泊費や往復渡航費、現地業務費などの支給もあり、無給休職や無職で長期派遣として期間を満了した場合は協力活動完了金の支給もある。

またシニア案件の場合は、派遣期間が30日以上のケースで「経験者手当」が支給される。JICAではない団体の場合、待遇は千差万別だ。責任ある立場でマネージメントなどに取り組む場合は、日本の会社員並みかそれ以上の給与が支給されるケースもある。一方、無給の場合もある。このあたりの待遇に関する情報は、応募先を考える際にしっかりと確認しておくようにしたい。

ちなみにJICAの場合は、協力隊に関する基本的な情報を調べ、応募区分を決定。その後、自分に合った職種を探して応募するのが一般的な流れだ。選考は、1次選考が書類審査、2次選考は面接による審査となり、合格した場合は派遣前訓練や研修を受ける必要がある。

シニア期は人とのつながりや目標を持つことが重要

企業に勤めていたり個人事業主として仕事をしたりしているうちは、目の前の業務に挑むことや課題を解決するためのスキルアップに励むことが日々の生きがいになりえる。適度な忙しさは、体力や若さを保つ秘訣の一つともいえるだろう。しかし年齢を重ねて現役を引退すると、必然的にこのような機会が減ってしまう。

第二の人生が始まった直後から、生きがいややりがいを見つけられない状態が続くと体力や認知能力の低下につながってしまいかねない。そのため、シニア期を迎える前に積極的に新たな目標や適度に刺激ある体験、そして人との新たな出会いやつながりを持つために何をすべきかを考えておくことは非常に重要だ。

そういった意味でシニアになってからの海外ボランティアは、世界中の人々に貢献するだけではなく、自分自身のためにもなる。知らなかった世界の状況を知って自ら汗を流して活動に取り組み、そして現地の人やほかのボランティアの人たちとかけがえのない人間関係を築くことは、第二の人生を非常に豊かなものにしてくれるはずだ。

第二の人生における選択肢の一つに

本記事で紹介したJICAの海外協力隊は特に人気が高いため、狭き門という側面もある。しかし、合格に向けてチャレンジすること自体もシニア期の生活に活気を与えてくれるはずだ。まだ現役で働いている人も、第二の人生における過ごし方の一つの選択肢として考えてみてはいかがだろうか。

(提供:大和ネクスト銀行


【関連記事 大和ネクスト銀行】
大切なのは「お金より時間」? お金の管理を「時間」に応用しよう
個人投資家の強みを活かす ! 機関投資家が参入しづらい銘柄の特徴
知っているとお得な「株主優待知識」をおさらい ! 全4選
落語で学ぶ「お金にまつわる」3つの教訓
富裕層が米ドルを選ぶ理由「殖やす」以上に大切なコト