世界経済状況
2014年の世界経済をみると、米国が堅調に推移した一方、欧州は低成長、中国は減速、消費税率の引き上げの影響により日本はマイナスとなった。2015年以降、世界経済は減速すると予想する向きもあるが、米国経済が依然として堅調であるため、世界経済全体の減速は回避できるだろう。
中国経済は生産能力過剰と、不動産市場の落ち込みにより減速が続くと予想される。世界銀行によれば、中国市場の成長率は7%台前半が予想されており、中国以外のアジア経済は、2015年も拡大基調が継続する見込みだが、そのペースは中国同様落ちるであろう。
2014年の日本経済
我が国日本は7~9月期の国内総生産(GDP)は1.9%減と下方修正される等、2014年にはすでに景気後退期に入っていた可能性が高い。夏以降は徐々に回復傾向にあったが、回復ペースは鈍い。円安の影響により好調な業績である輸出企業を中心に設備投資や雇用需要は堅調に推移している。
これまで景気の回復を牽引してきた個人消費の伸びは、消費税率引き上げ前の3月にかけて駆け込み需要が発生し、4月には反動により大きく落ち込んだ。その後、徐々に持ち直しつつあったが、7月以降の天候不順の影響を受け、足踏みが続いている。
2015年日本経済見通し
有効求人倍率が1.09倍と1倍を上回る水準にあり、新規求人数は伸び悩む中、求職者数自体が減少し、また、完全失業率は3.6%と低水準を維持している。サービス業を中心に人手不足が慢性化しており、企業の採用意欲も依然として高い。現金給与総額も7ヶ月連続で前年の水準を上回り、今後も前年比プラスで推移するだろう。さらに2015年に実施が予想されていた消費税率が8%から10%への引き上げが延期されるため、個人消費は2015年も堅調に推移していくものと予想される。
一方で、消費税率引き上げの延期により財政再建スピードが遅れる可能性が高いため、今後も円は売られ円安基調は続く可能性が高い。
住宅投資は、消費税率の引き上げの影響を受け、駆け込み需要が発生した。その後、徐々に持ち直してきてはいるが、消費税率引き上げ前ほどには需要は戻っていない。2015年もこの傾向は続くだろう。
以上の分析をまとめて2015年の日本経済を展望すると、予定されていた消費税率の引き上げの延期により物価上昇の回避や、政府の2014年度補正予算による経済対策の実施により内需の下支えがプラスに作用する。
さらに、円安基調のまま変化はなく、輸出企業を中心に堅調な業績が予想され、設備投資・雇用の増加効果が見込める。これにより景気は堅調に推移していくが、輸入企業の業績悪化を受け回復ペースは鈍い。
2015年は特に好調な米国経済がカギとなる。米国がくしゃみをすれば、日本は風邪を引くとよく言われるが、いい意味での影響であれば歓迎だ。円安の急速な進展により、輸入企業の業績悪化がマイナスに働くため、日本政府は輸出企業の業績が好調だからといって、まだまだ楽観できない状況が続く。
(ZUU online)
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