家計と資産、雇用環境と賃金など、お金に関する面で日本人は、どの程度満足をしているのだろうか。2024年8月、こうしたことを調査した国の報告書が公表された。

本記事では、同報告書をもとにそれぞれの項目で日本人の満足度がどう変化しているのかを紹介し、特にお金に関して満足度を高めるためのヒントを解説していく。

満足度・生活の質に関する調査結果

家計と資産の満足度は上昇 ? それでも残る課題と具体的な解決策
(画像=picture cells / stock.adobe.com)

内閣府は2024年8月、「満足度・生活の質に関する調査報告書2024~我が国のWell-beingの動向~」を公表した。本報告書のなかで家計・資産や雇用環境・賃金などの分野別満足度のデータが紹介されているので確認していこう。

家計・資産の満足度の推移は ?

2019~2024年における「家計・資産」の満足度 (※) の推移は、以下の通りだ。2023年を除き右肩上がりとなっている。

※満足度は各回答者が0~10点で自己評価した結果の平均値

西暦2019年2020年2021年2022年2023年2024年
満足度4.674.754.924.934.864.97

雇用環境・賃金の満足度の推移は ?

「雇用環境・賃金」の満足度の推移は、以下の通りだ。2021年以降は、横ばいだが2019年と2024年を比べると着実に上昇している。

西暦2019年2020年2021年2022年2023年2024年
満足度4.654.694.844.844.784.84

住宅の満足度の推移は ?

「住宅」の満足度の推移は、以下の通りだ。動きは大きくはないが、2019~2024年にかけて0.10の上昇となっている。

西暦2019年2020年2021年2022年2023年2024年
満足度5.565.615.615.615.615.66

仕事と生活の満足度の推移は ?

「仕事と生活」の満足度の推移は、以下の通りだ。きれいな右肩上がりとなっている。

西暦2019年2020年2021年2022年2023年2024年
満足度5.255.295.325.365.375.43

「生活満足度」全体ではミドル世代の低迷が顕著

前述の4つの分野では、どれもおおむね右肩上がりだ。ただしこれらは、男女合わせた全世代の平均データである点に注意したい。例えば「総合的な生活満足度」の推移を世代別で見ると、40~64歳のミドル世代の満足度は低迷しており、2024年の満足度は2019年に比べて低くなっている。

ちなみにミドル世代のデータを男女別で見た場合、女性が全体の生活満足度上昇に大きく寄与している。本調査では、その理由が明確に書かれているわけではないが、「家計と資産」の分野では男性よりも女性の上昇幅が大きくなっていることなどが要因と見られる。

この上昇は、近年の女性の社会進出や収入の向上、資産運用への関心の高まりが背景にあるのではないかと考えられる。また、家計管理において女性がより積極的な役割を担っていることが、満足度の向上に寄与している可能性もある。

特に、老後に向けた資産形成が重要視されるなかで、「家計・資産」の満足度は、男女問わず今後さらに注目される分野といえる。

家計・資産の満足度を高める方法

老後の安心を支えるための資産形成が重要になるなか、「家計・資産」に対する満足度を高めるには、今のうちから実践できる具体的な対策が求められる。ここでは、そのための主な方法を紹介する。

家計の満足度向上のためにできること

まず、家計の満足度向上のためにできることとしては「収入を増やすアプローチ」と「支出を減らすアプローチ」がある。

・収入を増やす方法
会社員であればスキルアップやキャリアチェンジによる昇進や昇給が考えられる。このときポイントになるのが、自分の現在の市場価値を正しく判断することだ。「スキルは十分に備わっているのか」「保有スキルを活かせばさらに活躍できるフィールドがあるのか」などを考えてみよう。

独立・起業している人であれば、例えば日々のニュースを細かくチェックして最新情報からいち早くビジネスチャンスをつかめるようにしたい。例えば米企業テスラのイーロン・マスクCEOは、EV (電気自動車) の先見性を早くから見出し、事業を大きく成功させた。

・支出を減らす方法
家計管理の基本として、まず「支出の見える化」を進めることを提案したい。そのうえで、各種契約や保険の見直しなどを行い、支出を削減できる余地を見つけていこう。無駄を省くことで、家計全体の負担を軽減することができる。

資産の満足度向上のためにできること

一方、資産の満足度向上のためには資産を効率的に増やし、リスクを管理することが重要だ。

・資産を増やす方法
資産を増やす方法の一つに資産運用がある。資産運用とは、将来的に価値が上昇する可能性のある資産を保有したり、保有するだけでリターンが得られる資産に投資することを指す。さらに、得たリターンを再投資することで、複利効果によってリターンがリターンを生み、資産をより効率的に増やすことができる。

具体例として外貨預金がある。外貨の選び方次第では、円預金よりも高い金利収入が期待できる。例えば、大和ネクスト銀行の米ドル外貨定期預金の場合、1年の預入期間で金利は4.10%~5.10%となっている (2024年11月21日時点) 。金利は預入金額によって変わり、金額が大きくなるほど高い金利が適用される仕組みだ。

・資産防衛策を講じる
資産形成では、リスク管理も重要だ。株式や不動産、外貨預金などに分散投資することでリスクを軽減することができる。また、信頼できる金融機関や専門家のアドバイスを活用し、リスクに対する理解を深めることも不可欠である。

ミドル世代は長期的な視点で資産形成を

家計や資産に対する取り組みは、将来の生活の質や安心感に直結する。特にミドル世代にとっては、現時点での資産形成が老後の生活の安定を大きく左右するため、長期的な視点での計画が欠かせない。

現状の家計と資産状況を定期的に確認し、必要に応じて改善を積み重ねることで、将来的な満足度を高めることができるだろう。

(提供:大和ネクスト銀行


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