この記事は2024年11月22日にSBI証券で公開された「NISA活用も!?波乱相場に強い?好業績・高配当利回り期待12銘柄」を一部編集し、転載したものです。
目次
NISA活用も!?波乱相場に強い?好業績・高配当利回り期待12銘柄
日経平均株価が波乱含みの形状になっています。10/15(火)に一時4万円大台を回復し、11/7(木)に4万円手前まで回復する場面がありましたが、これらがダブルトップの形になり、25日移動平均線を下回る営業日が長期化しつつあります。
日経平均株価の予想EPS(1株利益)が低下傾向となるなど、上場企業の業績が踊り場を迎えているとみられることが逆風になっています。「トランプトレード」が一巡化しつつあり、同氏の政策の中の負の部分が意識され始めていることも影響しているとみられます。ウクライナとロシアをめぐる地政学的リスクの高まり等も気がかりです。
東京株式市場全般については、波乱となる可能性に注意したいところです。ただ、決算発表で好業績を示した銘柄も少なくなく、個別物色を模索する動きは続きそうです。
今回の「日本株投資戦略」では、高配当利回りが期待される銘柄について、決算発表シーズンを経た今、好業績銘柄に絞り込むべく、スクリーニングを行ってみました。スクリーニング条件は以下の通りです。
(1)東証プライム市場上場
(2)証券を除く時価総額1千億円以上の銘柄
(3)業績予想を公表しているアナリストが2名以上
(4)今期市場予想(Bloombergコンセンサス)配当利回りが3.5%超
(5)直近の四半期累計純利益が前年同期比で5%超の増益
※同四半期の営業利益(未公表の銘柄は経常利益)も前年同期比で増益
(6)今期および来期の市場予想純利益が5%超の増益予想
(7)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。掲載の順番は(4)の予想配当利回りが高い順となっています。なお、11/20(水)時点で、東証プライム市場の予想配当利回りは2.5%(日経計算)となっています。図表の銘柄は、それを1%超上回る予想配当利回りであり、「高配当利回り」が期待される銘柄として表現することは妥当であると考えます。
一部掲載銘柄を解説!
こちらでは、図表に掲載した銘柄の一部について、簡単に解説させていだきます。
アステラス製薬(4503)~業績予想を上方修正。「日経累進高配当株指数」採用銘柄
2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して誕生した製薬会社。約70ヵ国で事業展開するグローバル企業で、日本の売上構成比(24.3期)16.8%に対し、米国41.3%、カナダ・欧州等25.9%他となっています。25.3期上半期は純利益が前年同期比105%増と好調で、通期会社予想純利益も300億円→500億円に上方修正されました。10年以上配当を増配または据え置きとおしており、配当利回りも相対的に高い「日経累進高配当株指数」の採用(24年6月)銘柄になっています。
ソフトバンク(9434)~個人株主拡大に向けて諸施策
ソフトバンクグループ(9984)が40.4%を保有(24.9末)しています。携帯電話サービス等の「コンシューマ」を中心に、「メディア・EC」、「ディストリビューション」、「エンタープライズ」等に展開。LINEヤフー(4689)、PayPay、アスクル(2678)、ZOZO等を傘下としています。25.3期上半期は全セグメントで増収・営業増益となるなど好調でした。これを受け、25.3通期の営業利益は9,000億円→9,500億円(前期比8.4%増)に上方修正されました。個人株主拡大に向け、本年4月に株主優待新設(PayPay1,000円分進呈)を発表し、10/1(火)付で1株→10株の株式分割を実施しました。
オリックス(8591)~上半期として最高益を更新。配当性向39%の方針
法人営業・メンテナンスリース、不動産、事業投資・コンセッション(公共施設等運営権制度)、保険、輸送機器等から幅広く利益をあげています。また25.3上半期セグメント利益の31%が海外でした。同上半期は純利益が前年同期比42%増となり、上半期として過去最高益を更新しました。事業投資・コンセッション、不動産、輸送機器が大幅増益となりました。当期純利益の39%を配当に当てる方針で、純利益(1株利益)が会社計画に対し上振れた場合、配当の上振れも期待されることになります。自社株買い(5/8決議)は計画枠500億円のうち8割を実施済み。
積水ハウス(1928)~戸建住宅を出発点に広範囲な事業展開。12期連続増配
1960年に創業後、戸建住宅事業を出発点に「次の時代の豊かさを追求する住まいと環境づくりにかかわる広範囲な事業」を展開しています。ビジネスモデル別の売上構成比(24.1期)は請負型ビジネス(戸建住宅、賃貸・事業用建物、建築・土木)40.4%、ストック型ビジネス(賃貸住宅管理、リフォーム)26.1%、開発型ビジネス16.9%、国際ビジネス16.2%となっています。
25.1期上半期はすべてのビジネスモデルで増収増益を確保し、売上高・営業利益は過去最高を更新しました。これを受け、通期予想営業利益は3,000億円→3,200億円(前期比18%増)に上方修正されました。24.1期まで12期連続増配を記録。中期的な配当性向について40%以上を目安としつつ、配当金下限値110円をコミットしています。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。