この記事は2025年7月16日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。

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2025年7月16日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。
現在の為替相場の傾向や相場観
米ドル/円の150円復帰が現実味を帯びてきている。
日米金利はともに上昇も、その背景が異なることから円は一人負けの様相を強めている。前者が参院選後の消費減税期待を拠り所とした財政悪化リスクを警戒する一方、後者は昨日15日(火)CPIで見られた関税転嫁を根拠としたFED利下げ期待の後退を織り込む。
国内政局不安に加え通商交渉も頓挫しており、日銀の利上げ期待も盛り上がりを欠く現状、米ドル/円は上方向リスクを意識せざるを得ない。
また世界通商情勢は、想定上回る関税率を背景に米国よりも他国が苦しむフェーズを迎えている。今年上半期の歴史的な米ドル売りを巻き戻す動きも一定程度期待できるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
米関税およびFRB金融政策動向を睨みつつも、目先は円相場主導の展開を期待している。市場はすでに与党過半数割れを織り込み始めていることから、想定内の結果となれば円の買い戻しも想定される。
ただ参院選後の連立・政権交代有無など織り込みが不十分な分岐も依然として多いことから、米ドル/円の下値は力強く拾われる公算が大きく、投機筋の投げが伴えば一段と上値を広げる可能性も秘めている。
週末選挙リスクをケアしつつ、米ドル/円は押し目買いから参入したい。
▽米ドル/円 日足チャート

(画像=羊飼いのFXブログ)
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。