国内から海外へ

そもそも石油自体はどこの元売り会社が精製しても他の商品のように差は大きくない。むしろ、消費者にとっては、どこの石油スタンドで購入するかを選択するぐらいだろう。需要が低迷する国内で業績を拡大するには他社と差別化する戦略はとり難い。そこで、多くの会社は海外に活路を求めることになる。

省エネやエコカーの普及、それに人口減少による将来需要への不安等、国内だけで勝負をするには石油元売り各社の経営は厳しいものになるのが予想される。石油元売り各社は海外への進出を急いでいる。たとえば、石油を原料とする繊維のポリエステルやペットボトルの原料となるパラキシレンは中国を中心に旺盛な需要を誇る。石油そのものではなく、高付加価値商品の原料としてアジア各国に販売網を拡大している。しかし、それも石油元売り業界各社の体力が続けばの話だ。

過当競争により、体力勝負となっている石油元売り業界では海外進出のリスクを取れない会社も出てくるだろう。そうなると経営不振に陥りかねない。

いずれ3位以下も含めた業界再編が進んでいくだろう。使えるものは何でも使うという発想で産業競争力強化法も活用し、国内だけではなく海外も含めた競争力を取り戻す会社がいずれ出てくるだろう。

(ZUU online)

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