ふるさと納税

確定申告時に有効利用する事で所得税・住民税から控除を受けることの出来る寄付金控除制度。
今回は世界遺産登録活動応援として寄付金控除を行う魅力をお伝えしていこうと思います。

世界遺産登録と言えば、記憶に新しいのは富士山ですね。日本を代表する世界遺産として大きくニュースで取り上げられました。そして富士山に続けと世界遺産登録活動が活発になっているのが、今回ご紹介する群馬県富岡市の「富岡製糸場と絹産業遺産群」です。

その群馬県富岡市ではふるさと納税の使用用途として「富岡製糸場の保存活用、周辺整備及び養蚕業の保全」を指定できるので、ふるさと納税を利用して世界遺産登録活動の応援を行う事ができます。

では、ふるさと納税で群馬県富岡市を応援する事にどのような魅力があるのか、詳しくご紹介していきましょう。

【参考】

税制優遇のある寄付制度「ふるさと納税」とは?~被災地支援1800億円の実績まで~
ふるさと納税で被災地支援〜確定申告における寄附金控除の有効利用〜


◎群馬県富岡市における世界遺産登録活動の現状


世界遺産登録を目指す群馬県富岡市ですが、同市は活動において無視出来ない重要な課題を抱えています。
それは養蚕業の衰退です。同市は「富岡製糸場と絹産業遺産群」を世界遺産にと活動を進めていますが、富岡製糸場を支えた養蚕業が絶えてしまっては富岡製糸場が世界遺産に登録されても、その価値は薄れてしまうのです。

養蚕業といえばかつて日本を支えた国家規模の産業でした。特に明治時代においての養蚕業は「外貨獲得産業」として特に重視され、日本の近代化を支えた花形産業であったと言っても過言ではありません。しかし現在、養蚕農家は平成25年時点で14戸と激減し、まさに断絶の危機に瀕しています。

では、何故かつて日本を支えた養蚕業が危機に瀕しているのでしょうか?次は、富岡製糸場と日本の養蚕業の歴史に焦点を当てて見て行きましょう。


◎富岡製糸場と養蚕業の歴史


富岡製糸場は明治5年に模範器械製糸場として明治政府によって建設されました。江戸時代末期に鎖国を廃止し貿易を始めた当時の日本にとって、最大の輸出品は生糸でした。しかし急激な需要の増加が引き起こしたのが品質低下問題です。

そこで明治政府は生糸の品質改善・生産向上と技術指導者の育成の為に富岡製糸場を建造しました。そして生糸や絹製品の品質を引き上げ、日本の主要輸出品としたのです。しかし、第二次世界大戦中に生糸や絹製品の輸出は一時中断されてしまいます。日本の農家が養蚕よりも食料生産に注力せざるを得なかった為です。中断をきっかけに、化学繊維の世界市場進出や諸外国からの安価な生糸・絹製品の輸入などの波に押され、日本の養蚕業は徐々に衰退の道を辿り現在に至ります。

富岡製糸場も昭和62年まで製糸工場として活躍しましたが、生糸値段の低迷などによりその操業を停止しました。

操業停止後の富岡製糸場は、平成17年に歴史的価値・文化的価値が高い施設として「旧富岡製糸場」として国の史跡に指定され、平成18年には国の重要文化財に指定されました。富岡市では現在富岡製糸場を体験や見学を通じた歴史の学びの場として活用する事を検討し、整備計画を進めると同時に養蚕業の保全にも力を入れています。

その活動の一つが、ふるさと納税による寄附の呼びかけです。では、ふるさと納税で寄附を行う事によってどのような効果が期待できるのでしょうか?