(写真=HPより)
世界の課題解決型Health-Techとイノベーターの群像
第2回 遺伝子検査からゲノム創薬支援への展開を目指す23andMe

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米国シリコンバレー発の草分け的な遺伝子検査サービス企業が「23andMe(トゥエンティースリー・アンド・ミー)」だ。

日本では、DeNA <2432> 傘下のDeNAライフサイエンス、ヤフー <4689> 、ファンケル <4921> 傘下のファンケルヘルスサイエンス、ソフィアホールディングス <6942> 傘下のジーンクエスト、DHC、大学発ベンチャーのサインポストなどが同様のサービスを提供しているが、23andMeの教訓に学ぶべきことは何だろうか。


グーグル出資のスタートアップ 23andMeが直面した規制の壁

23andMeは、2006年、グーグル創業者セルゲイ・ブリン氏の妻で生物学者のアン・ウォイッキ氏とリンダ・アベイ氏、ポール・クセンザ氏によって創設された。人間が持つ23対の染色体が社名の由来だ。

2007年にシリーズA、2009年にシリーズB、2010年にシリーズC、2012年にシリーズDの資金調達を完了し、現在、主要株主として、ユーリ・ミルナー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、MPMキャピタル、ロシュ・ベンチャー・ファンド、グーグル・ベンチャーズ、ニュー・エンタープライズ・アソシエーツらが名を連ねる。

23andMeは、2007年11月、Webベースの一般消費者向け遺伝子検査「パーソナル・ゲノム・サービス(PGS)」の販売を開始し、盤石な財務基盤をベースに順風満帆な事業拡大路線を歩み続けていたかに見えたが、医療業界特有の法規制という壁にぶつかった。

2013年11月、米国食品医薬品局(FDA)が、PGSの検査精度の信頼性に問題があるとして販売中止命令を23andMeに発動したことから、同社の売上高が半減し、企業存続の危機に陥ったのである。