8月20日、京都大学はウシ体細胞から全能性を有するiPS細胞株の作製に成功したと発表した。様々な動物種での家畜改良、有用遺伝資源および希少種・絶滅危惧種の保全、医学領域への応用が期待される。この研究成果は、8月19日に米国科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」オンライン速報版に掲載された。

これまでの30年余りの大型動物の多能性幹細胞研究の中でナイーブ型多能性幹細胞株(個体の構築が可能なタイプの細胞)の樹立が望まれてきました。今回の研究は、この点をブレークスルーしたものと位置づけられている。

同大学の研究グループは「さまざまな細胞に分化することのできる多能性幹細胞の遺伝情報を次の世代に伝えることのできる幹細胞株は、これまでマウスでしか樹立されていません。マウス以外の哺乳動物種、特に経済的な価値をもつ家畜において、個体を構成するすべての組織に分化するウシ幹細胞が得られたことは、今後、家畜改良、有用遺伝資源および希少種・絶滅危惧種の保全、医学領域へのトランスレーショナルリサーチなどに、この幹細胞株を応用する道が開かれたと考えています」とコメント。研究成果の様々な領域での応用に期待を寄せた。(ZUU online 編集部)

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