社債とそのリスク

(写真=PIXTA)

現在の銀行普通預金の金利は2015年現在0.02%前後、個人向け国債でも変動10年で0.3%程度だ。この金利で思うように資金を殖やすのは無理がある。

そんななか今回紹介する「社債」は、1%超という実に魅力的な金利が設定されることもある投資商品だ。ただし、そこは市場経済。高金利は高リスクの裏返しでもある。今回は、そんな「社債」のリスクについて解説していきたい。

社債とは

まずはじめに、社債とは何かについて簡単に触れておこう。社債とは企業の債券を指す。「A社の社債に投資する」ということは「A社に資金を貸す」ということだ。

企業は運転資金が不足すると、銀行など金融機関から融資を受けて資金を調達する。

しかし、そもそも銀行が融資をする資金は一般の顧客から集めた預金だ。金融機関を間に挟まず、企業と投資家で直接資金の貸し借りを行うのが「社債」なのである。

企業は、満期までの期間(1年~10年など)、金利(1%を超えることもある)、最低購入金額(10万円からなど)を指定して社債を発行する。その内容は企業自体が持つ、顧客を引きつける魅力(経営状態や安定感など)によって異なってくる。

社債のリスク①信用リスク

社債の持つリスクは大きく4つに分けられる。1つめは「信用リスク」だ。

社債とは、発行体である企業が額面価格(=購入価格であるのが基本)つまり元本を保証している投資商品である。

金銭貸借契約のため、当然満期まで社債を保有していれば、企業から額面の全額が返済(償還)される。それゆえ、元本割れが珍しくない株式投資などと比べると、社債はリスクが低い投資手段であるということになる。

しかし「企業が元本を保証する」とはいえ、その企業が倒産など元本を返済できない状態、いわゆる「債務不履行」「デフォルト」状態になると、元本を保証してくれる者はいなくなってしまう。

社債を購入するにあたりなるべく債務不履行にならなそうな企業を選びたいところだが、その判断は一般人には難しい。

そこで参考にしたいのが「格付」である。S&PやR&I、ムーディーズといった格付会社がその企業の財政上の安定性を審査して評価している。

例えばR&IではAAA~Dの10段階でランクがつけられ、AAA~BBBまでが投資適格、BB以下が投機的(債務が履行されない可能性が高い)と判断される。

社債のリスク②価格変動リスク

2つめのリスクは「価格変動リスク」だ。

すでに述べたように、社債は満期まで保有すれば発行企業によって元本が保証される投資商品ではあるが、保有者が何らかの理由で満期日を待たずに社債を途中換金する必要が出てきた場合、元本保証はされなくなる。

発行済みの債券を売買する「二次市場」というものがあり、その市場の時価で売却することになる。

二次市場では、その時点での企業の信頼性や設定金利などの要因によって、額面100円の債権が98円や102円などと変動する。売却価格が購入価格を下回る事態も当然考えられ、こうなると元本割れとなってしまう。

このリスクを避けたいなら、途中売却はしないということに尽きる。

社債のリスク③流動性リスク

社債の3つめのリスクは「流動性リスク」である。

先ほど触れた「二次市場」では発行済みの債権が日々取引されているわけだが、株式市場などと比べると規模は小さい。つまり、途中換金したい社債保有者が二次市場で売却したいと思っても、都合よく好条件で購入してくれる取引相手はそう簡単に見つかるものではないのだ。

それでも途中換金したい人というのは、すぐさま現金を手にしたくて売却を望んでいるはずだ。しかし、売却価格を下げてしまうと損失がふくらんでしまう。

証券会社では、社債保有者が途中換金を希望する場合、一定の取引手数料とひきかえに自社で買い取りを行うが、これも二次市場でのリスクが取引手数料姿を変えるだけのこと。

計算すると投資家にとって不利な取引となるのが一般的だ。このリスクを避けるためには、②と同じく満期日までの保有が一番だ。

社債のリスク④為替変動リスク

最後は「為替変動リスク」である。

例えば企業がアメリカからの原材料調達のための資金を欲しているときなど、米ドルなどの外貨で額面価格を設定して社債を発行することがある。これを「外貨建て社債」と呼び、外貨建て社債はその外貨でなければ購入できない。「為替変動リスク」とはこの種の社債において発生するものだ。

外貨建て社債も社債にかわりなく、満期日まで保有すれば発行企業が額面価格を保証する。ただし、保証は受取時点の為替相場の水準にあわせられる1ドル=100円のときに100万円分購入した社債は「1万ドル」という額面価格は保証される。

しかし満期日に1ドル=90円に変動していた場合、1万ドル=90万円での償還となり、10万円分の損失が発生する。この損失が金利による利益を上回ってしまうことも多いのだ。

社債のリスクから購入社債を選ぶ

このように社債には4つのリスクが存在する。ではどうすればこのリスクを減らすことができるのだろうか。

まず、「①信用リスク」であるが、これは格付各社の発表を見て安全度の高いものを選べば十分というわけではない。

格付各社は企業の業績を常にチェックしており、状況次第で格付を変更している。ということは、社債購入時にはBBBなど低リスクの格付であっても、保有しているうちにBB、さらにBなどに変更されるかもしれないのだ。

長期保有、つまり満期の設定が長い社債はこの点で高リスクにもなりうるということは知っておくべきだ。

長期保有がリスクとなるのは「②価格変動リスク」「③流動性リスク」においても同様である。

この2つのリスクは、途中換金さえしなければ避けられるものだ。絶対に手放さない自信があるとしても、何が起きるかわからないのが人生である。であれば短期のものを選び、さらにゆとりを持った資金で投資するのが賢いといえる。

最後の「④為替変動リスク」を避けるためには、円建ての社債を選べばよい。そもそも外貨建ての社債は上級者向けの投資商品でもある。

なるべく低リスクの社債をオススメしたいところだが、高リスクであるほど金利は高く設定される傾向にあり、魅力的であるのは事実だ。

しかし、中には低リスクでも1%を超える金利設定の社債もあるのだ。このような社債は人気が高く、発売即完売ということも珍しくない。それゆえ、あらかじめ狙っている社債を発行する証券会社に口座を開設しておいて、発売を待ちたいところだ。

最後に、即完売必至の人気社債を2つご紹介しよう。

【SBI債】

円建てで為替変動リスクがなく、満期まで1年と短期のために信用リスク・価格変動リスクも最小限に抑えられる。にもかかわらず1.43%という高金利設定だ。申込の最小単位は10万円と、そこまで高くないのもうれしい。

発行体は、ネット証券最大手・SBI証券の持ち株会社である「SBIホールディングス(R&Iによる格付はBBB)」である。


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【マネックス債】

こちらも円建てで為替変動リスクはない。最大の魅力は、申込み1万円から可能であることだ。大きい資金を運用してリスクを取りたくない人にはありがたいのではないだろうか。金利も1.5%と高い。5年満期もそれほど長い設定ではない。

発行体は、こちらもネット証券大手のマネックス証券の持ち株会社である「マネックスグループ(日本格付研究所による格付けはBBB)」である。

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以上2つの社債を紹介したが、それぞれSBI証券とマネックス証券からしか購入できないというのが共通の特徴だ。

いずれも発売は不定期に行われ、にもかかわらず1~4日で完売してしまうという、超人気社債である。もしこれらの社債の購入を考えているなら、発売されてからでは遅い。今すぐにでも両証券に口座を開設しておくのがベストだろう。

社債は、高リスク高リターンの株式投資と、低リスク低リターンの銀行預金や国債の中間に位置する、いわば中リスク中リターンの投資商品である。

そのリスクを十分に理解したうえで運用していけば、長期にわたって安定した収益を確保することも十分可能だ。4つのリスクを念頭に置いて、健全な資産運用を心掛けていただきたい。

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