ジャック・ドーシー
(写真=Thinkstock/Getty Images)

米モバイル決済企業Square(スクエア)が14日正式に上場を申請したことが、複数のメディアの報道から明らかになった。スクエアは米証券取引委員会(SEC)に書類を提出するなど今年の夏からIPOの申請準備を行っており、新規上場株式化から2億7500万ドル(約325億7100万円)の収益を見込んでいるという。


利益が伸びる一方で損失も増加

スマートフォンやタブレットのヘッドフォンジャックから利用できるモバイル決済リーダーなどで大旋風を巻き起こし、AppleのiPad対応ソフトも開発するなど、常に革命的なテクノロジーで業界の話題をさらってきたスクエア。6年前の設立以来順調に利益を伸ばす一方で、ウォレット アプリの商業的失敗などで多額の損失も出している。

2013年度は1億400万ドル(約123億1776万円)、2014年度はそれを上回る1億5400万ドル(約182億3976万円)の赤字が報告されているが、同時に利益も54%アップし(8億5000万ドル/約1006億7400万円)、総支払いボリュームも64%増している(238億ドル/約2兆8189億円)。2015年上半期の発表では総収益(5億 6050万ドル/約663億8562万円)のうち純損失が7750万ドル(約91億7910万円)と、ここでも利益と損失が交差しているのが明白だ。


スタバの穴埋めが今後の利益を左右する

意外にもスクエアの「上顧客」はサービス、食品、美容、請負業者などの小売店で、総売上げの21%を占めている。なかでもスターバックスは今年上半期には6200万ドル(約73億4328万円)、昨年度は1億2300万ドル(約145億6812万円)と収益面で最大限に貢献しているが、来年第3四半期に終了する契約更新の可能性が薄いことから、「今後それを補うだけの収益を得るのか」が懸念されている。

2012年にスクエアと契約を結んだ当初、スタバは2500万ドル(約29億6100万円)の投資を行ったが、翌年にはハワード・シュルツCEOがスクエアの役員会から辞任するなど、決別の兆しは見え始めていた。


「スクエアの未来はドーシーCEOの才覚次第」

2013年から米ウォルト・ディズニー・カンパニーの取締役も務めているうえに、2006年に共同設立したTwitterにCEOとして最近復帰したばかりのドーシー氏が、「どこまで『二足のワラジ開業』を器用にこなせるのか」という点にも注目が集まっている。

しかしドーシーCEOはスクエアの事業安定に積極的な姿勢を示しており、既に自己資本の20%(1500万ドル/約17億7660万円)相当をスクエアに投資、今後さらに10%を上乗せすると発表している。

これに対してスクエア幹部は「仮に現重要幹部を1人でも失うことになれば、代わりの戦力を得ることは難しいだろう」とコメントし、スクエアの将来がドーシーCEOを含む上層部の肩にかかっていることをアピール。「今こそスクエアの事業にどこまで打ち込めるか、ドーシーCEOの才覚が問われる時なのかも知れない」(ZUU online 編集部)

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