保険ショップ・FPチャネルの動向
(写真=PIXTA)


保険ショップ・FPへの注目

◆増加傾向が続く保険ショップ・FP有資格者

2015年9月に公表された(公財)生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によれば、直近加入時の加入チャネルは3年前の前回調査に比べ「保険代理店の窓口や営業職員(*1)」が大きく増加し1割を超えている。

この結果の背景には、近年、急速に店舗数を拡大してきた複数の保険会社の商品を取り扱う保険ショップ(以下、保険ショップ)のほか、特定の保険会社には属さず、複数の保険会社の保険代理店であるFP(以下、独立系FP)の存在があるように思われる。

このような独立系FPは、インターネット上で無料の保険相談を謳い、利用を申し込んだ消費者の居住地域などの情報をもとに、提携している独立系FPとのマッチングと保険相談の仲介を行うサービス(以下、FP紹介サービス)を介して利用されることが多くなっているようである。実際に保険ショップは、増加の一途を辿っており、主要な4社の合計でみてもすでに1,000店を超えている〔図表1〕。

保険ショップ・FP 図1

また、前述のFP紹介サービスでは、登録しているFPの数を公表している先は見受けられないものの、いくつかのサービス提供会社では、離島など一部の地域を除き全国をカバーする体制を整えているところや、提携FPが1,000名を超えているところもあるようである。

これらの紹介サービスを介して利用される独立系FPは、後述する通り保険の販売チャネルとしても保険ショップと同程度の存在感を示すようになっている。

◆本稿の目的

このように、生命保険の加入チャネルとして急速に存在感を増しつつある保険ショップや独立系FPは、実際にはどのような人が利用しているのだろうか。また、このように生命保険の加入チャネルとして支持されるようになった背景にはどのような要因があるのだろうか。

本稿では、直近5年以内の生命保険加入時の保険ショップ・独立系FPの利用者に着目し、利用者の特徴について概観するとともに、保険ショップ・独立系FP利用者の加入検討時の行動および加入後の評価から、保険ショップ・独立系FPの支持が拡がる背景について考察を試みる。なお、本稿の分析には、弊社が今年2月に実施した生命保険マーケット調査(*2)の個票データを用いる。