保険ショップ・FPの利用者像

◆属性的特徴

はじめに、直近5年以内の生命保険加入者の加入チャネルについてみると、加入者全体では「独立系FP」が6.8%、「保険ショップ」が6.3%といずれも1割に満たず、現状では少数派であることがわかる〔図表2〕(*3)。

保険ショップ・FP 図2

これを性別にみても大きな差異はみられないものの、年齢別では30歳代、50歳代で「独立系FP」が1割弱と高く、30歳代では、「保険ショップ」も8.7%と高い。また、未既婚別では「保険ショップ」、「独立系FP」ともに既婚・子ありで高い。なお、本人職業別では民間正規、自営業でいずれも7~8%とやや高く、特に民間正規のうち1,000人未満では「保険ショップ」(10.8%)が、1,000人以上では「独立系FP」(9.6%)が、それぞれ1割前後と高くなっている。

これらの結果から、現状では保険ショップ・独立系FPの利用者は30歳代の既婚子あり層が中心となっており、なかでも保険ショップは1,000人未満の中小・中堅企業の正規被用者に、独立系FPでは1,000人以上の大企業の正規被用者および50歳代に、利用されていることがみてとれる。

このように、保険ショップ・独立系FPの利用者は、ある程度共通の属性的な特徴を有しているものの、1,000人未満の中小・中堅企業の正規被用者では保険ショップが、定年を前に老後の生活設計について相談にいくケースを表していると考えられる50歳代や1,000人以上大企業の正規被用者では独立系FPが、それぞれ利用されているなど、利用者属性の面では差異があることがわかる。

◆地域別偏在の有無

都市規模別にみると、「保険ショップ」は特別区・政令市を除く町村から中核市にかけて、「独立系FP」では町村を除く特別区・政令市からその他の市にかけて、それぞれ規模が大きくなるほど高くなる傾向がみられ、「保険ショップ」は中核市(7.7%)で、「独立系FP」は特別区・政令市(8.8%)および、町村(8.9%)で、それぞれ高くなっている〔図表3〕。

保険ショップ・FP 図3

一方、地域ブロック別にみると、「保険ショップ」は東海(9.9%)、四国(9.5%)で1割弱と高く、四国では「独立系FP」(11.9%)も1割を超えて高いのに対し、関東・上越や中国、九州では、「保険ショップ」、「独立系FP」のいずれも5%に満たず、利用率が低くなっている。

このように、保険ショップ・独立系FPの利用者は地域別ではやや差異がみられるものの、総じて規模の大きな都市などに集中しているものではなく、国内全域において拡がりつつあるさまがみてとれる。次節では、保険ショップ・独立系FPからの加入者が加入した保険商品について、商品種類や加入額の面における特徴について概観していく。