保険ショップ・FP加入者の検討プロセスと加入後の接触状況・満足度
◆保険ショップ・FP加入者の検討プロセス
(1)利用を思い立つタイミング
保険ショップ・独立系FPの利用を思い立ったタイミングについてみると、「加入を思い立ってすぐに利用した」が最も多く、特に保険ショップでは51.0%と半数を超えて加入者全体、独立系FPに比べ高くなっている〔図表7〕。
一方、独立系FPでは「加入を思い立ってすぐに利用した」(37.8%)と「セミナーや家計診断のなかで」(36.6%)が拮抗しており、保険ショップに比べ「ある程度検討が進んでから」(12.2%)が低くなっている。
このように、保険ショップが日常生活の中で普段から認知されているなかで利用につながったり、ある程度検討が進んだところで、裏付けをとる目的で利用されているのに対し、独立系FPではセミナーや家計診断等を通じて存在を認知した結果、引き続き加入検討に利用されているケースが多くなっているものと考えられる。
(2)保険ショップ・FPの利用目的
保険ショップ・独立系FPからの加入者がそれぞれのチャネルを利用した目的についてみると、加入者全体、保険ショップ・独立系FPの加入者ともに「自分に適した保険を教えてもらうため」が最も多く、全体および保険ショップでは「自分に適した保険の提案」、「保険の仕組や種類毎の目的を教えてもらうため」の順で続いている〔図表8〕。
一方、独立系FPでは、「自分に適した保険の提案」(50.0%)についで「加入している保険の診断」(43.9%)が多くなっている。チャネル間で比較すると、保険ショップで「自分なりに調べた上で、わからない点を質問するため」、「営業職員や他のショップでの説明や自分の理解が正しいか確認するため」で独立系FPに比べ高く、独立系FPでは「加入している保険の診断」で保険ショップに比べ高くなっている。
これらの結果は、消費者が保険ショップ・独立系FPを利用する際、期待する内容は概ね類似しているものの、保険ショップが保険に関する基礎的な知識を含めて商品提案までを期待されているのに対し、独立系FPでは一般的な知識よりも自身の状況にあった適切な保障内容を目指した既契約の診断や提案が期待されているなど、詳細な点では異なる目的のもと利用されているものと思われる。
(3)加入までの検討期間
加入を思いたってから、加入手続きまでの検討期間についてみると、保険ショップ・独立系FP利用者では「1か月程度」がいずれも4割弱と全体(30.4%)に比べ高く、「2~3か月程度」も15%前後と高くなっている〔図表9〕。
一方で全体では1割を超える「1週間以内」(16.2%)はいずれも1割に満たないことから、保険ショップ・独立系FP利用者は総じて慎重な検討を経て加入の意思決定を行っているものと考えられよう。