(4)チャネル選択理由
チャネルの選択理由について全体の上位10項目をみると、加入者全体では「担当者が信頼できた」(46.0%)が最も多く、「特に理由はない」(28.3%)、「自宅や職場によく来てくれたから」(26.4%)の順となっているのに対し、保険ショップからの加入者では「多くの会社の商品を比較できる」(50.0%)が最も多く、「担当者が信頼できた」(46.5%)、「自宅(自宅近く)で相談・手続きができる」(31.6%)の順と、他社比較できることが最も重要視される結果となっている〔図表10〕。
一方、独立系FPでは「担当者が信頼できた」が62.9%と、全体に比べ15pt以上高く、「コンサルティングスキルが高かった」(41.1%)、「多くの会社の商品を比較できる」(38.7%)の順となっている。
チャネル間の対比では、保険ショップで「多くの会社の商品を比較できる」(50.0%)、「平日夜間・土日祝日も相談・手続きができる」(26.3%)が独立系FPに比べ高く、独立系FPでは「担当者が信頼できた」(62.9%)、「コンサルティングスキルが高かった」(41.1%)、「自宅や職場によく来てくれたから」(24.2%)で保険ショップに比べ高くなっている。
このように、保険ショップと独立系FPでは、それぞれ選択理由も異なっており、保険ショップでは他社比較できることのほか、時間的な利便性が、独立系FPでは高度なコンサルティングスキルに裏付けられた信頼感が、それぞれ重視されていることがわかる。
◆加入後の満足度と次回加入時の利用意向
(1)満足度
加入した商品の内容、加入チャネルに対する満足度についてみると、保険ショップ・独立系FPでは「商品内容」がそれぞれ77.4%、76.3%と、全体(71.9%)に比べ高くなっている〔図表11〕。
一方、「チャネル」については、全体との差異はみられず、保険ショップ・独立系FP間で比較しても、「商品内容」、「チャネル」のいずれも差異はみられない。
(2)次回加入時のチャネル再利用意向
一方、今後の加入・見直し意向がある者を対象に、次回加入時に利用意向があるチャネルについて尋ねた結果をみると、全体では「同じチャネル」は22.6%と2割程度に留まり、6割が「決めていない・わからない」(61.7%)と、態度を保留しているのに対し、保険ショップでは「同じチャネル」が43.2%、独立系FPでも33.3%と、それぞれ全体に比べ10~20pt高くなっている〔図表12〕。
保険ショップ・独立系FP間で比較すると、保険ショップで「同じチャネル」が独立系FPに比べ約10pt高く、独立系FPでは「決めていない・わからない」(56.7%)が半数を超えて保険ショップ(37.8%)に比べ約20pt高くなっている。
このように、保険ショップや独立系FPは総じて消費者のニーズを十分汲みとった上で商品提案し、契約につなげており、他のチャネルに比べより高い満足度や次回加入時の再利用意向をもたらしているさまがみてとれる。一方で、チャネル間の対比では、保険ショップの方が満足度や再利用意向が高くなっていることは、保険ショップが独立系FPよりも高い水準で消費者の期待に応えているものと考えられよう。