富士通マーケティングは22日、家族を介護している30歳以上の会社員200名を対象に実施した「仕事と介護の両立」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査結果では介護休業制度の利用率はわずか11.5%に留まり、「会社に制度があるかわからない」という回答も2割弱あった。
調査は、インターネットによるアンケートで実施。家族を介護している30歳以上の会社員200人が回答した。調査期間は2015年9月18日~21日の4日間。
現在介護している形態を問う設問では、全体で「在宅型」が76.5%、「施設型」が23.5%となり、在宅型が多数となった。さらに年代別に見てみると、30代は「在宅型」が86.1%と多く、60代は逆に「施設型」(41.1%)が多いことがわかった。
介護休業制度を「利用した」と回答した人は11.5%に留まり、「利用していないが、利用する予定がある」と回答した8%と合わせても、利用が進んでいない状態が浮きぼりになった。「会社に制度があるかわからない」という回答も2割弱あった。
また、利用していない理由について聞いたところ「今後、現在より休業が必要な状況が来るかもしれないから」が33.3%で最多となった。ほかは「仕事が忙しく休めないから」26.7%や「休業すると今後のキャリアに影響があると感じるから」10.0%などだった。同社は「分割取得できる改正と、介護休暇を取得しやすい環境が必要であるといえる」と分析している。
仕事と介護の両立の悩みは「精神的疲労」が半数以上
仕事と介護を両立する中で「困ったり大変に思うこと」を聞いたところ、60.5%の人が「精神的疲労」を感じていると回答した。次いで、「留守中に介護する人の様子や状態が心配」55.0%、「経済的負担」51.0%なども半数を超えた。在宅型の介護をしている人は「身体的疲労」が高い傾向にあり、施設型は「施設での介護の実態が見えないこと」が高い傾向が見られた。
また、自身が介護を受けることになった場合、「在宅型」を希望する人の割合の合計が47.0%となり、「施設型」の合計を上回る結果となった。年代で比較をすると30代は圧倒的に「在宅型」を希望するが多くなった。将来、自身が介護を受ける時のために備えておきたいことを聞いたところ、8割弱が「介護にかかる費用」と回答。ついで「生活費のための貯蓄」が63.5%とお金に関わる項目が続いた。 (ZUU online 編集部)
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