地震保険料控除の2つのポイント

地震保険料控除とは、その年の1月1日から12月31日までに支払った地震保険料と一定の長期損害保険料の金額に応じて、課税される所得を減少させるものである。

地震保険は保険対象と支払保険料がポイントとなる。契約者自身やその配偶者、親族が所有し、実際に住んでいる家屋や家財に対して、地震、噴火又は津波を原因とする火災、損壊等による損害を補填するための保険が対象となる。5万円を上限として、支払保険料の金額を控除できる。

長期損害保険料は06年12月31日までに契約して保険が開始されており、07年以降契約を変更しておらず、満期返戻金等があり、保険期間が10年以上である保険が対象となる。1万円以下は全額、1万円から2万円は支払金額の半分に5千円を足した金額、2万円超は1万5千円が控除額である。両方の契約がある場合は、5万円を上限として合計値を控除できる。

確定申告が必要な3つの所得控除

その他の所得控除も年末調整で控除が可能であるが、一部確定申告が必要なものもある。火災や盗難等の災害に合った場合の雑損控除と、寄附金控除、医療費控除は年末調整で控除をとることができない。これらは比較的計算に手間がかかることや、被害状況や思想、傷病治療歴などの個人情報を含むことへの配慮と考えられる。

蛇足であるが、住宅関連借入金残高の数パーセントを税金から控除できる「住宅ローン控除」も初回は確定申告が必要であり、翌年から年末調整での控除が可能となる。

無駄なく節税するために大切なこと

共働きの場合は、所得の高い方に保険料控除を行う方が有利である。控除額に所得税率をかけた金額が所得税の節税額であり、所得が高い方が所得税率が高いためである。証明書が届いたら大切に保管し、年末調整時に必ず使用するとともに、誰が控除を受けるかもよく考えよう。万が一証明書の提出を忘れた場合は再年末調整か確定申告を行うことになるので注意が必要だ。

新井 良平 経理ライター
中小企業から上場企業まで規模を問わず経理や税務を経験。日々の経理処理から開示業務、IFRS、内部統制、経営分析、税務申告、移転価格など幅広い経験を基に複数メディアで記事を執筆。

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