◆ユーロドルレート

◇11月の動き

月初1.11ドル台前半からスタートし、月末は1.05ドル台後半に。月初、米利上げ観測の高まりから、3日に1.09ドル台、5日に1.08ドル台とユーロ安ドル高が進行。さらに好調な米雇用統計結果を受けた9日には1.07ドル台に下落した。

その後はしばらく1.07ドル台での推移が続いたが、下旬になるにつれてECBの追加緩和も強く意識されるようになり、16日には1.06ドル台へ。25日には1.05ドル台までもう一段下落し、月末も1.05ドル台後半で着地した。

◇当面の予想

今月に入り、ECB追加緩和への失望からユーロが急騰し、足元は1.09ドル付近で推移している。しばらくはECBによる早期のさらなる追加緩和期待が盛り上がりにくく、ユーロの下値が支えられるだろう。

しかし、欧米の金融政策の方向性の違いは従来と何ら変わっていない。今後は米利上げを織り込む形で徐々にユーロ安ドル高方向に進むと見ている。目先のカギとなるのは、ドル円と同様、本日の米雇用統計になる。

金融市場10

(*1)詳細はWeeklyエコノミスト・レター「 追加緩和完全スルー、それでも追加緩和ありと信じる理由~金融市場の動き(11月号) (2015/11/6)をご覧ください。

上野剛志
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 シニアエコノミスト

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