(写真=PIXTA)
◆米国の7-9月期成長率(前期比年率)は、+2.1%と4-6月期の+3.9%から大幅に低下した。低下の要因は主に在庫投資の減少であり、個人消費は+3.0%と堅調な伸びを維持した。7-9月期は中国経済の減速懸念が強まり、米国への影響が懸念されたが、実体経済への影響は限定的であったことが示された。米国では労働市場の回復を背景に個人消費主導の成長が持続している。
◆米国では12月に政策金利の引き上げ開始が見込まれるものの、利上げ開始時期に関する不透明感が払拭されるほか、利上げペースが過去に比べて緩やかに留まることから、米国や新興国経済に与える影響は限定的となろう。
◆米国では労働市場の回復を背景に個人消費主導の経済成長が持続し、成長率は15年が+2.5%、16年+2.6%、17年+2.5%を予想する。長期金利は、上昇を予想するものの、物価の大幅な上昇が見込まれないことから、緩やかな上昇に留まろう。
◆米国経済に対するリスク要因としては、中国や新興国を含めた海外経済の動向と、16年の大統領選挙を睨んだ政治リスクが挙げられる。とくに、大統領選挙では民主党と共和党候補者の政策スタンスが大きく異なっており、大統領選挙が混戦模様となる場合には、経済政策などに対する予見可能性の低下が実体経済に影響を与えるとみられる。