ほかにも、同氏は昨年の夏からの原油価格の大幅な下落にも日本の経済を押し上げる効果を期待していたという。この「交易条件の改善により、実質購買力も改善し、消費も力強さを取り戻すのではないか」(同氏)との期待も同氏はかけていた。

ちなみに、多くの国内企業が予想為替レートを115円程度を想定して事業予測をしていたことから、円安の進行により日系企業の業績も押し上げられるとみられていたと言えそうだ。

ふたを開ければ「期待外れ」だった日本経済

しかし実際には、永濱氏は今年を振り返って「期待外れ」だったとの意見を漏らす。結局は、「ふたをあければ期待ほどは回復してこなかった」(同氏)からで、その点では同氏にとって予想外の現実が展開したことになる。

また、同氏によれば、実際の日本経済の動向を振り返ると、春闘での賃上げも、一昨年の水準を上回ったものの、期待どおりの成果を上げられなかった。「所定内給与は増えたが、ボーナスはふえていなかった」ということもあり、経済を後押しする力強さには欠けたといえそうだ。

ほかにも、同氏は予想外だった事件に「中国ショック」を挙げた。過熱していた中国の株式市場で株価が暴落し、世界同時株安の様相を呈したが、成長の著しい国とみられている中国での思わぬブレーキに足元をすくわれた格好だ。

永濱氏はこうした事件を振り返りながら「いまの調子では1%くらいしかいかないのではないか」と2015年末を目前に見通しを語った。ただ、同氏によれば、併せて、「世界同時株安になり企業業績も懸念されたが、中間決算のふたを開けるとよかった」などと今年の事件を振り返った。(ZUU online 編集部)

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