株式投資
(写真=Thinkstock/Getty Images)

最後の連載になる第7回目は「ノーポジション投資法」がテーマだ。 ノーポジションとはリスク資産をまったく持っていない状態を指す。ポジショントークという言葉を聞いたことがあると思うが、当事者が「こうなればいい」という立場で発言する場合、本人のメリット分を割り引いて聞くべきだと思う。

それは個人の資産運用についても同じように言えるだろう。
たとえば、株式を大量に持っていると「上がる」意見を過大に評価し、「下げたところを買いたい」場合は「買いたい弱気」に傾き、悪い材料をことさらにアナウンスするような傾向になる。

リスク資産を持つと含み益が乗っているときはいい気分になって油断し、含み損を抱えると必要以上に悲観しがちだ。そして、その額が大きくなればなるほど「どうしよう?」とおろおろし、一気に取り戻そうと無茶をして取り返しのつかない大損をしてしまうようなこともある。

そこで一切のリスク資産を持たない状態にあえて自分を置き、冷静な判断力を取り戻そうということを提案したいす。

これを「ノーポジション投資法」と名付けてた。この考え方で資産運用力を向上させてほしい。

目次

  1. 「ノーポジション投資法」の考え方
  2. ポジションを持たない平穏な気持ちで検証する
    1. ①執着していた銘柄の適正価格を検討する
    2. ②そもそも論を思い出す
    3. ③フラットな状態で本当にそのリスク資産が魅力的なのかを見極める

「ノーポジション投資法」の考え方

リスク資産を持つとたいていは上がれば嬉しい、下がれば面白くないという具合に価格に振り回されます。

しかし、リスク資産にはだいたいの妥当価格があるものです。株式なら代表的な指標としてPBR(株価純資産倍率)や、1株当たりの利益に対して株価が何倍まで買われているかを表すPER(株価収益率)、配当利回りなどがあります。不動産投資なら年間収益×20年分を基準に買値を検討してみるといった感じです。

そうした数値でおよその妥当価格がつかめると、買値、売値にあまり悩まずに済むわけですが、私たちは株価の変動にウエイトを置きがちです。というのも日々のニュースは圧倒的に株価変動に焦点を当てた情報量のほうが多いからです。

朝は「ニューヨーク市場が上がった下がった」に始まり、「日経平均が高値で始まった」「大幅安となっている」「終値は小幅安でした」「史上三番目の大幅高で引けました」という具合です。

こうした高安情報は振り子のようなもの。次第に催眠術にかかったように上げ下げばかり気にする心理になってしまう。そして株価上昇が続くとリスク許容、株価下落に悲観してしまいリスクオフにつながるため、もうけから遠ざかっていきます。

利益を得るには対象資産のだいたいの適正価格を自分なりに想定し、上下にブレ過ぎたときに売買するに尽きます。それを完遂する冷静な判断力を身につけるにはノーポジジョン状態に身を置くことが非常に有効なのです。

ポジションを持たない平穏な気持ちで検証する