カードローン
(写真=PIXTA)

ローンの広告を見ると、「申込み後、最短30分で審査結果を回答します」などとうたわれていることがある。ローン会社ではどのような審査が行われているのだろうか。

「スコアリングシステム」を使用

カードローンやキャッシングの申し込みは数が多く、与信担当者による判断のばらつきを防ぐ必要がある。そこで申し込み時に記載された各種の情報を自動的に点数化(スコアリング)して与信判断するスコアリングシステムが用いられている。

スコアリングの対象となる具体的な項目や、スコアリングの方法などは、ローン会社ごとに異なる。また、貸倒れの実績データなどを元に随時変更・精緻化されているものと思われる。したがって、どこのローン会社でどのようなスコアリングが行われているかは正確には分からない。もっとも一般的には次のように行われている。

他社からの借入金額や件数、返済履歴が最重要

最も重視される重要な情報は、他社からの借入金額や件数、過去の返済履歴だ。当然のことながら、他社からの借入金額や件数は少ないほど良い点数となりやすい。過去の返済履歴は、期日にしっかり返済しているほど、また最終的に完済しているほど、良い点数となりやすい。信用情報機関に対し借り入れの状況に対する照合が行われるので、虚偽の申告をしている場合や過去に自己破産の記録がある場合などには、自動審査を通過できない仕組みとなっているだろう。

申し込みに申告する内容には、勤務先や勤続年数、雇用形態、保険種類などを入力する欄がある。勤務先は公務員や大手企業など安定しているほど良い点数となりやすい。勤続年数は、長いほど良い点数となりやすい。雇用形態は、正社員のほうが非正規社員と比べ良い点数となりやすい。保険種類は、社会保険や組合保険、共済保険など勤務先から発行されるもののほうが、国民健康保険より良い点数となると考えられる。

消費者金融のカードローンには総量規制が

収入は年収が高いほど良い。貸金業法の対象となる消費者金融のカードローンには総量規制がかかり、年収の3分の1を超える借り入れはできない。

総量規制とは、債務者への過剰貸付を防ぐために、2010年改正貸金業法で設けられた規制だ。例えば年収300万円の方は、総量規制により、100万円以上の借入ができない。このため信用情報機関に対する借入状況の照合を行い、総量規制を超えるような場合には、自動審査を通過できない仕組みとなっているだろう。なお銀行のカードローンは、貸金業法の対象ではなく銀行法の対象であるため、総量規制の対象外である。

居住状況は、借家より持ち家のほうが、居住年数は長いほうが良い点数となりやすい。家族構成は、家族と一緒に住んでいるほうが良い。例えば独身なら、実家暮らしのほうが一人暮らしより良い点数となる可能性が高い。電話については、かつては自宅固定電話があるほうが良い点数となりやすかったが、携帯電話が普及し固定電話を持たない人が多くなった今日においては、スコアリングの対象から外しているローン会社も多いのではないだろうか。

「いいね!」の数で与信? 進むFinTech

以上のようにローン会社は、申込み時に記載された各種の情報をシステム的に自動的にスコアリングして、一定の基準を超えた申込者に対し、融資の可否などを「最短30分」で回答している。

スコアリングシステムとは、統計的データを収集・活用することにより、その人の返済能力を点数化して信用リスクと関係が深いと考えられる諸変数を説明変数とする計量モデルを構築し、スコア(評点)を算出して、これをもとに融資実行の可否や金利などの融資条件を決定する融資手法である。このような統計的手法は、個人に対するカードローン貸出だけではなく、銀行が中小企業向け融資を行う際にも用いられている。

個人に対するカードローン貸出の場面で現状使用されているスコアリングの項目には、先に挙げたものが用いられるのが一般的であるが、信用リスクと関係が深いと考えられる諸変数は他にもいろいろと考えられる。特にビッグデータの収集が容易になってきた今日においては、思いもよらない項目をスコアリングの対象とするようなローン会社が出現してくるのではないだろうか。

例えばFacebookの「友達」や「いいね!」の数と、信用リスクの高低との間に相関関係があるかもしれない。また、ブログでのポジティブな心情を示す表現(「きっと」「うれしい」)や丁寧な表現(「改めて」「きちんと」)の出現頻度を、信用リスク判定に用いることができるとする分析もある。

欧米では、ソーシャルメディアなどのウェブデータを活用して個人のリスクを評価し消費者ローンを提供する金融ベンチャーが出現している。金融とテクノロジーの融合によるFinTechが注目されているが、個人ローンの分野もフィンテックによる大きな変化が起こる分野の一つであろう。(星川鳥之介、弁護士資格、CFP(R)資格を保有)

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