キャッシュレス決済が広がり、注目を集めているデビットカード。デビットカードは、カードでの支払いと同時にご自身の銀行口座から引き落としがされる仕組みのカードで、現金とクレジットカードの良いところを掛け合わせたようなカードです。

デビットカードの基礎知識と使い方について詳しくみていきましょう。

デビットカードとその仕組み

デビットカード,後払い
(画像=sumire8/stock.adobe.com)

まず、デビットカードの概要と仕組みを解説します。

デビットカードとは

デビットカードとは、カード決済と同時に、銀行口座から支払いが完了するカードです。

銀行口座にある預金残高の範囲内で決済され、現金を口座から引き出さずに使える利便性の高さが特徴です。

デビットカードには、次の2種類があります。

  1. ジェイデビット(J-Debit)
  2. 国際ブランドデビットカード

ジェイデビットとは、銀行のキャッシュカードで決済できるサービスのことです。ジェイデビット加盟店で利用できますが、海外では基本使えず日本国内でも利用できる店は限られています。

一方、国際ブランドデビットカードは、VisaやJCB、Mastercardといった国際ブランドカードと提携したデビットカードのことです。国際ブランドのマークがあるお店なら海外でも利用でき、広く普及しています。

この記事でデビットカードといえば、国際ブランドデビットカードのことを指します。

デビットカードの仕組み

次に、デビットカードの決済の仕組みを解説します。

デビットカードで買い物をすると、デビットカード発行会社へ取引情報が届けられます。発行会社に情報が届くと、買い物をした人の口座からお金が引き落される、という仕組みです。

このようなやりとりが、デビットカード決済後すぐに行われます。

デビットカードとクレジットカードの違いは?

デビットカードとよく比較されるのが、クレジットカードです。両者の違いを、次の表にまとめました。

デビットカードとクレジットカードの違いは?

デビットカードはクレジットカードのように、借り入れではないので審査はありません。また、海外のATMから現地通貨を引き出せます。

つまり海外でも、自分の銀行口座からお金を引き出せるということです。

クレジットカードでも現地通貨を引き出せますが、キャッシングサービスになるので、金利とともに返済しなければならないところが大きな違いです。

デビットカードの使い方

デビットカードの使い方を、店頭、インターネット、海外ATMの3つに分けて見ていきましょう。

国内のコンビニや飲食店など店頭の場合

デビットカードの店頭での使い方は、次のような流れです。

  1. VisaやJCB(所有のカードブランド)で払う旨を伝える
  2. 支払い回数を1回と伝える
  3. 暗証番号を入力する

店頭でデビットカードとしての特別な決済方法あるわけではなく、クレジットカード決済方法と同じなので、VisaやJCBなどの国際ブランドのカードで払いたいと店頭で伝えると手続きがスムーズでしょう。

デビットカードは1回払いしかないので、支払い回数を1回と伝えましょう。その後、暗証番号を入力すれば決済完了です。

現在、国際カードブランドの中で、圧倒的なシェアを誇っているのはVISAです。VISAデビットカードなら、世界中のVISAの加盟店で買い物ができます。

インターネット決済の場合

デビットカードのインターネット決済は、次の項目を入力すれば完了します。

● カード番号
● 有効期限
● セキュリティコード
● 氏名

決済後すぐに、口座を確認すれば引き落としが終わっているはずです。

●海外ATMで現地通貨を引き出す場合

デビットカードの最も便利な機能の一が、海外ATMで現地通貨を引き出せることです。

VISAデビットカードなら、世界200の国や地域にある「VISA」「PLUS」といった、以下のマークのあるATMで利用できます。

VISAホームページより
(画像=VISAホームページより)

海外ATMから、デビットカードで現地通貨を引き出す手順は、次のようになります。英語対応を前提としているので、注意しましょう。

  1. 英語を選択する(日本語対応のATMもある)
  2. 暗証番号を入力する
  3. 取引内容を選ぶ(引き出しは英語で「WITHDRAWAL」)
  4. 口座を選ぶ(普通預金を意味する「SAVINGS」を選択)
  5. 金額を選択肢の中から選ぶ
  6. カード・明細書・現金を受け取る

ATMを利用するには、手数料がかかることもあるので注意しておきましょう。

デビットカードは公共料金や携帯料金の支払いでも使える!

デビットカードは、電気や水道、ガスなどの公共料金や携帯料金の支払いにも使えます。

ただし使用しているデビットカードや会社によって対応していないケースがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

デビットカードを使うメリット

続いて、デビットカードを使うメリットを解説します。

メリット①:利用限度額がクレジットカードより大きい

デビットカードは一般的にはクレジットカードよりも、利用限度額が大きくなります。

例えば、あるデビットカードでは、銀行口座に500万円あれば、1日でその金額を利用することができるのです。

クレジットカードでは、月当たりの利用限度額が設定されており、カードグレードによりますが、多くの場合月に200万円くらいが限度です。

メリット②:買い物に現金が不要になる

デビットカードがあれば、買い物に現金は必要ありません。デビットカードは決済後すぐに、口座からお金が引き落とされ、現金に近い感覚で利用できます。

クレジットカードを使いたくない場面でも、現金の代わりとして活躍してくれるでしょう。

手元の現金が不足して買い物ができないことも、買い物の前にATMに寄る必要もありません。

またデビットカードを使えば、利用額の一定割合が現金でキャッシュバックされる特典が付与されている場合も多いです。

例えば、利用金額に対して1%のキャッシュバックがあるカードで毎月10万円の買い物をすると、年間1万2000円ものキャッシュバックがあります。あたりまえですが、現金での支払いには、このようなキャッシュバック特典はありません。

メリット③:ATMの利用回数が減少する

デビットカードは現金不要で買い物できるので、ATMの利用回数が減ります。

ATMを利用するための手間や時間、手数料がかからないので便利です。

メリット④:使いすぎを抑えられる

デビットカードは、使いすぎを抑えられます。なぜなら、決済後すぐに利用額を把握できるからです。口座を見れば、実際にお金が減っているので、お金を使った実感がもてます。

一方、クレジットカードは、利用金額を確認しづらく、お金を使っている実感をもちにくいです。クレジットカードをついつい使いすぎてしまうのは、そこに原因があります。

デビットカードなら使ってすぐに利用額を把握できるため、使いすぎを抑えられるのです。

メリット⑤:海外で現地通貨を引き出せる

デビットカード は、銀行口座の預金残高または利用限度額の範囲内で海外ATMからも現地通貨を引き出せます。つまり海外でも使える銀行キャッシュカードになるのです。

これからは、多くのお金を旅行前に引き出して、現地通貨に両替する必要はありません。手間を省けるうえに、盗難や紛失のリスクを下げられるでしょう。

クレジットカードでも現地通貨を引き出せますが、あくまでもキャッシングなので後で金利とともに返済しなければなりません。

デビットカードは、海外に行く人なら必ず持っておきたいカードです。

メリット⑥:利用料金をすぐ確認できる

デビットカード決済では、瞬時に口座からお金が引き落とされるので利用料金をすぐに確認できます。

特にスマートフォンからリアルタイムに出入金を確認できる口座なら、ATMや銀行に行かなくても、決済後すぐにスマートフォンで利用金額が分かります。

以上のようにデビットカードは、使いすぎを抑え、利用料金や預金残高の管理に便利な新時代のカードなのです。

デビットカードを使ううえでの注意点

次に、デビットカードを利用するうえでの注意点を紹介します。

注意点①:口座に資金がないと使えない

デビットカードは、銀行口座にお金がないと使えません。

決済時に残高不足で焦らないよう、あらかじめ口座にお金を入れておきましょう。

注意点②:分割やリボ払いに対応していない

デビットカードの支払いは、1回払いのみです。

分割払いやリボ払いで、1回当たりの負担額を少なくできないことに注意してください。

注意点③:キャッシングサービスが使えない

デビットカードでは、クレジットカードのようにキャッシングサービスを利用できないので、どうしても預金残高が足りないときには、デビットカードは使いにくいでしょう。

キャッシングサービスを利用したい人は、クレジットカードとの併用がおすすめです。

デビットカードはクレジットカードと合わせて上手に使おう!

デビットカード、クレジットカードどちらにも各々のメリットがある便利なカードです。

カードの支払い方法や支払い回数、サービス内容などの機能は異なります。デビットカードは、海外でも口座から現地通貨を引き出せるので、よく海外に行く人には便利です。

普段の少額の買い物はデビットカードで、高い買い物はクレジットカードで分割払いをする、あるいは逆に高額の決済はデビットで済ますなど、シーンによって使い分けしながら活用するとよいでしょう。

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