「複数の銀行口座を持っていても管理が大変なだけ」と、シンプルな管理にこだわっていませんか?実は、「急な出費用」「将来用」など、貯金の目的に合わせて預金口座を使い分けることが、効率良くお金を貯めるためのポイントなのです。
今回は、賢い預金口座の使い分け術と、毎月の貯金額の目安について紹介します。
「急な出費用」と「将来用」、それぞれの口座を用意しよう
コツコツと貯金を続けるうえで、モチベーションの維持は重要な要素の一つです。しかし、冠婚葬祭や病気、けがなど、さまざまな場面で急にお金が必要になることがあります。予期せぬ出費が重なると、「頑張って貯金をしているのに、お金が思いどおりに貯まらない」と、モチベーションが下がる原因になりかねません。
挫折しないためには、「急な出費用」と「将来用」の2つの預金口座を用意しておき、万が一のときは「急な出費用」からお金を引き出すようにしましょう。「将来用」の口座には一切手をつけないことで、モチベーションが維持しやすくなります。
複数の口座をもつメリットは、もう一つあります。
預金口座のお金は、銀行が破たんした場合に備えて、「預金保険制度(ペイオフ)」という保険制度で保護されています。補償が適用される元本の最高額は1000万円なので、それ以上の貯金がある人は複数の口座に分けて預金するのが安心です。
「2つも口座があると管理が大変そう」と感じるかもしれませんが、自動振替サービスやインターネットバンキングを利用すると、楽に管理できます。「旅行用」「車用」「老後用」など、さまざまな目的に合わせて、複数の口座を管理している「貯金の達人」もいます。
どの預金口座を貯金専用に選ぶ?
預金口座にはいろいろな種類があります。目的に合うものを選ぶことで、貯金の効率がアップします。
普通預金口座は、給与の受け取りや住宅費、光熱費、カードの引き落としなど、生活するうえで必要な収支に使いましょう。いつでも自由に引き出せるので「急な出費用」としても使えます。現在普通預金の金利水準はたいへん低いですが、ネット銀行の中には差別化のために他行より高い金利をつけている銀行もありますので、金利比較サイトなどで調べてみることをおすすめします。
貯蓄預金口座は、一般的には普通預金に比べて高い利息を受け取ることができる場合が多いです。必要なときに自由にお金を引き出せるので、「急な出費用」として使うとよいでしょう。
定期預金口座は、一定期間お金を引き出せないので、「将来用」におすすめです。また、証券口座を開設し、比較的低リスクのインデックス投資などで資産運用する方法もあります。しかし、どのような投資もリスクを伴うため、慎重な決断は欠かせません。
貯金する金額はどうやって決める?
「貯金を始めよう!」と決心しても、具体的に毎月いくら貯金すればよいのか悩みどころです。無理のない範囲で貯金することが長続きのポイントですが、家族構成や居住形態、所得、ライフスタイルによって、毎月貯金できる金額は大きく異なります。
毎月の貯金額の目安として、以下の2つの方法を参考にしてみてください。
同年代の平均値
同年代に比べて自分の所得や貯金は多いのか、少ないのかは、非常に気になるところでしょう。統計調査から実態を探ってみましょう。
●独身男性(総務省2014年全国消費実態調査)
●二人以上の世帯(総務省2019年家計調査報告貯蓄・負債編)
この表から分かるように、多くの人が定年退職する60代を境に所得は約半分に減りますが、貯金額はピークを迎えます。つまり60代までにしっかりと貯金しておくことが、安定した老後を過ごすポイントです。
例えば、30代独身男性の貯蓄現在高は616万円、40代は795万円、平均所得はそれぞれ441万円、439万円です。所得はそれほど変わりませんが、貯金額には179万円の差があります。平均所得の人が25歳から45歳までに795万円を貯金する場合、年間39万7500円、毎月3万3125円を貯金する必要があります。
手取り収入の1~3割
手取り収入に対する割合を決めて、貯金する方法もあります。
1人暮らしの場合は家賃や生活費が必要なため、家賃を手取りの3分の1以下、食費を2割程度におさめ、最低でも1割を貯金したいものです。
家族と同居の場合は、毎月実家にお金を入れていても家賃を払う必要がないため、手取りの3割以上を目指しましょう。
世帯者は、所得や子どもの有無によって貯金できる金額が大きく変わります。総務省の「家計調査報告2019年」によると、2人以上の勤労者世帯の年間所得は736万円、貯蓄現在高は1376万円です。
30~50代は年齢とともに教育費が増えるにもかかわらず、老後の蓄えも気になる年代です。無駄な出費を積極的に減らすと同時に必要なことには惜しまず使うなど、メリハリのあるお金の使い方を心掛け、できるだけ多くのお金を「将来用」の口座に貯金しましょう。
「急な出費用」と「将来用」の割合は?
最後に、「急な出費用」と「将来用」の最適な割合についてです。
急な出費の目安は、手取り年収の1割程度といわれています。つまり、手取りが60万円の場合は、72万円を貯金しておくと安心というわけです。
「複数の目的の貯金を同時進行させるのは難しい」という人は、先に「急な出費用」の目標金額達成を目指す、ボーナスの一部を「将来用」に貯金するなど、自分に合う貯金の仕方を見つけましょう。
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