コロナ禍で経済格差がさらに拡大する中、貧富の二極化が進んでいると言われます。

今回は、現在のような先行き不透明な状況において、「富裕層が資産を増やし続けるために、どのようなことにお金の使っているのか?」について見てみましょう。

日本の富裕層の世帯数、総資産額が過去最大に

富裕層,お金,使い方
(画像=Nomad_Soul/Shutterstock.com)

野村総合研究所による2019年の調査によると、日本における金融資産1億円以上5億円未満の富裕層、5億円以上の超富裕層の世帯数は合計132万7,000世帯でした。前回推計(2017年)を6万世帯上回り、2005年以降最多となりました。総資産額は2005年の約1.5倍の333兆円に増加しました。

2021年2月23日現在、日本の富裕層に関する新型コロナウイルス感染症拡大以降のデータは発表されていないため、数字的な影響は明らかになっていません。しかし、コロナ禍でも高額消費が堅調であること、貧富の二極化が進んでいるといわれていることから、日本の富裕層の資産はコロナの影響をあまり受けなかった、あるいは投資などで増えた可能性が考えられます。

資産10億ドル(約1,052億 7,148万円)を超える世界の超富裕層の総資産は2020年12月の時点で、11兆9,500億ドル(約1,258兆247億円)に達したことが、英非営利組織オックスファムの調査から明らかになっています。これは、G20国のコロナ経済回復支援のため財政支出総額に相当する金額だというから驚きです。

富裕層のお金に対するスタンス

富裕層にとってお金とは、さらにお金を増やすための重要なツールです。低金利時代の今、銀行に預金しているだけではお金は思うように増えません。そのため、富裕層は銀行口座にお金を眠らせておく=「預金」への関心は薄く、常に将来のための投資に積極的です。

ここで重要なのは、「お金を使う」という行為は「消費」ではなく、「価値を生み出す投資」であることです。富裕層が投資を重視するのは、自分の築いた資産や代々受け継いだ資産をさらに増やし、後世に託すためです。

「お金は賢く運用して、初めて価値をもつ」というのが、富裕層のお金に対するスタンスなのです。

富裕層のお金の使いみち3選

コロナ禍の今、富裕層はどのようなことにお金を使っているのでしょう?世界の景気や市場の変動に影響を受けず、富裕層がお金を使っているもの・ことを3つ見てみましょう。

1 投資

投資信託、株式、仕組債、社債、公債、不動産などの金融商品から、金(ゴールド)や原油などのコモディティ、アート、アンティークコイン、ワイン、クラッシックカーまで、富裕層は多様なアセットに投資しています。安全性、流動性、収益性は投資対象により異なりますが、それぞれのニーズに合わせ、複数の対象に投資している点が富裕層の投資スタイルです。

2 ウェルネス

富裕層にとってウェルネス(心と体の健康)は生涯資産です。いくら資産が豊富でも、心と体のケアを怠っていては、人生の楽しみが半減してしまいます。

医療やテクノロジーの発展により、健康はある程度お金で買える時代です。米国医師会(AMA)の調査では、最も裕福な層1%と最も貧しい層1%の寿命の差が、男性で14.6歳、女性で10.1歳も開いているという驚くべき結果が報告されています。

できるだけ健康寿命を延ばすために、適度な運動やバランスのとれた食生活、質の高い睡眠といった毎日の習慣から、入会金数百万円クラスの会員制高級人間ドック、高級スパ&フィットネス、美容歯科まで、健康維持のためにお金を惜しみません。

3 ワークライフバランス

仕事に100%専念するためには、ワークライフバランスが重要です。そのため、時間刻みのスケジュールをこなしている富裕層は、オンとオフの切り替えを重視しています。

ビル・ゲイツ氏やジェフ・ベゾス氏など多数の富裕層が、スポーツなど多彩な趣味を持ち、旅先で新しい体験を満喫したり、家族や友人と充実した時間を過ごしたりするなど、オフの時間は心身共にリフレッシュするよう心掛けていることは有名です。

外出自粛のコロナ禍では、オンラインで新しい習い事や教養を高めたり、自宅に専用ジムやホームシネマ、ホームバーを設置したりする富裕層も増えています。「家庭での無駄な時間やストレスを軽減したい」という富裕層には、家事代行サービスも人気があります。

学びたい、消費と投資のバランス

富裕層はいかなる状況でも、広義の意味での投資(投資、ウェルネス、ワークライフバランス)という視野からお金を使うことを鉄則にしています。これが「お金がお金を呼ぶ」と言われる、富裕層マインドです。富裕層のように「消費」と「投資」の区別をつけて、価値のあるお金の使い方を心掛けることで、少しずつでもお金が増えていくのではないでしょうか。

記事内容は、資産運用の方法等に関する情報提供を目的として、委託先が作成したものであり、掲載内容は、作成時点における委託先における意見・見解が含まれるもので、個社・個別の商品・サービスを推奨・保証するものではありません。
文章は株式会社ZUUが責任を負います。
掲載時点以降に予告なく変更する場合があります。
情報の正確性、完全性、信頼性、適切性等に関し、あおぞら銀行は一切保証するものでありません。また、投資勧誘や特定銘柄の推奨を目的とするものではありません。掲載情報に基づき行ったお客さまの行為および結果等について、あおぞら銀行は一切の責任を負いません。
掲載画像はイメージです。
あおぞら銀行の商品サービスに関するお問い合わせを除き、掲載内容に関するお問い合わせはあおぞら銀行窓口・コールセンターではお受けできません。