「外貨預金には興味があるけど、運用に失敗して損失が発生するのが怖い」と思っている人もいるだろう。「大損は避けたい」という気持ちはほとんどの人が持っているものだが、知識不足でリスクを低減する方法がわからず、過度に損失を恐れているだけかもしれない。

そこで今回は、大きな損失を避ける方法である「分散投資 (リスク分散) 」の重要性や、外貨預金でリスクを分散する方法について解説する。

大きな損失を避ける方法「分散投資 (リスク分散) 」

外貨預金に興味はあるけど損が怖い ? 大きな損を避ける方法
(画像=あんころもち (ankomando) / stock.adobe.com)

大きな損失を避ける方法として有効といわれているのが「分散投資」で、言い換えれば「リスクを分散すること」だ。分散投資を行うことでリスクを分散でき、一度に大きな損失を被る確率を下げられる。「大損は避けたい」という人は、分散投資を心がけて資産運用を進めるとよいだろう。

分散投資の効果は、「卵を1つのかごに盛るな」という有名な投資格言を考えるとわかりやすい。卵を1つのかごに盛っていると、そのかごを落とした時にすべての卵が割れてしまう。しかし、卵を複数のかごに分けておけば、1つのかごを落としても卵がすべて割れてしまうことはない。つまり、資金 (卵) を複数の投資先 (かご) に分けておくことで、ある投資先の価格が下がっても、全体への影響は限定的になるということだ。

分散投資は大きく分けて、「地域の分散」「商品の分散」「通貨の分散」「時間の分散」がある。それぞれを簡単に解説しよう。

「地域の分散」とは、国内と海外、新興国と先進国、欧州とアジアなど投資先の地域を分散させることだ。「商品の分散」とは株式、債券、不動産など投資する商品自体を分散させることで、「通貨の分散」とは日本円、米ドル、ユーロ、英ポンドなど投資先の通貨を分散させることである。

上記の3つの分散は「何を買うか」に着目した分散投資の方法だが、「時間の分散」は「いつ買うか」に着目した方法だ。積立投資 (ドルコスト平均法) のように、定期的に一定の金額を購入することで、価格変動リスクを抑えられる。「時間の分散」と「何を買うか」に着目した3つの分散投資の方法を組み合わせることで、分散効果をさらに高められるだろう。

外貨預金でリスク分散する方法

外貨預金でリスクを分散する方法には、どのようなものがあるのだろうか。まず挙げられるのが、「複数の通貨を保有する」という方法だ。上記の4つの分散方法でいうと、外貨預金で複数の通貨を保有することは「地域の分散」と「通貨の分散」にあたる。

例えば、100万円の投資元本をすべて米ドルにするのではなく、ユーロ、英ポンド、豪ドルなどに分けて保有するといった具合だ。その際は「米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドルを25万円ずつ保有する」といったように均等に資金を振り分けてもよいが、「米ドルを40万円分、ユーロを30万円分、英ポンドを20万円分、豪ドルを10万円分保有する」といったように配分に傾斜をつけてもよいだろう。後者の場合は、比較的安定した取引が見込める流動性の高い通貨の配分を多くすることをおすすめする。流動性の低い通貨は市場が混乱した時に大きく損失するリスクがあるからだ。

「いきなり投資資金の全額を外貨預金に回すのは怖い」という場合は、外貨預金の購入時期を分散してもよいだろう。100万円を一度に外貨に換えるのではなく、まずはそのうちの何割かを外貨に換えて、少しずつ外貨比率を高めていくイメージだ。

近年は、円預金と外貨預金の比率に応じて円定期預金の金利が変わる「バスケット定期預金」というものもある。例えば、100万円の預金のうち7割を米ドルにすると、残り3割の円定期預金金利が年5.05%、5割ずつなら円定期預金金利が年2.15%、米ドルが3割なら円定期預金金利が年0.95%になるというものだ (数字はすべて2021年10月29日執筆時点) 。

このような商品を活用すれば、自分に合った外貨比率を選ぶことができ、かつ日本円の部分を通常の日本円普通預金よりも高い金利で運用できる。外貨預金に慣れてきたら、満期後に日本円の部分をすべて外貨に換えてもよいし、日本円の部分で新しいバスケット定期預金を始めてもよいだろう。

リスクはある程度コントロールできる

ここまで、大きな損失を避ける方法である「分散投資 (リスク分散) 」の重要性や、外貨預金でリスクを分散する方法について解説してきた。リスク分散を意識して分散投資を実行したからといって、必ず大きな損失を回避できるわけではないが、その確率を下げることはできる。

リスクは、ある程度コントロールできるということだ。正しい知識を身につけて、適切なリスクを取って資産運用を進めていこう。

(提供:大和ネクスト銀行


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