21日の東京市場は、祝日のため動意薄の展開となったものの、ドル円相場は、中国株の上昇に連れる形で持ち直した。海外市場では、ロックハート米アトランタ連銀総裁が利上げに関してタカ派寄りの発言を行ったことなどから、111円98銭まで上昇した。
22日の東京市場は、112円を挟んで方向感に乏しい展開となった。海外市場に入ると、ベルギーで爆弾テロ事件が発生したことで、リスク回避的な円買いが加速し、一時、111円37銭まで下落した。ただ、エバンズ米シカゴ連銀総裁が米国経済についてタカ派な発言を行ったことを受けた、112円50銭まで上昇した。
23日の東京市場は、前日の上昇の反動から、112円13銭の安値を付けたものの、海外市場では、ブラート米セントルイス連銀総裁が利上げについてタカ派寄りの発言を行ったことで、一時、112円92銭を付けた。ただ、その後は、原油先物価格の下落に押される形で、112円台前半まで下落した。
24日の東京市場は、特段大きな材料はなかったものの、113円を付け、海外市場で原油先物価格の下落から、112円台に押し戻され、その後は、112円台前半から後半で推移した。
25日の東京市場は、海外主要国でイースター休暇となることで、市場参加者は限定的となったものの、113円台前半まで上昇した。海外市場に入ると、方向感に乏しい展開となり、113円台前半で膠着した。
今週の為替展望
今週注目される経済指標は、29日の2月労働力調査・有効求人倍率、2月家計調査、米3月CB消費者信頼感指数、30日の2月鉱工業生産、米3月ADP雇用統計、1日の3月調査日銀短観、中国3月製造業PMI、米3月雇用統計、米3月ISM製造業景況指数などである。
今週の外国為替市場は、アトランタ連銀総裁やシカゴ連銀総裁など、米国経済や利上げについて強気な発言が目立っていることから、4月利上げの可能性が高まりつつあり、ドル円相場は、円安傾向に進みやすいだろう。そして、米3月雇用統計が良好な結果となれば、その傾向はより強くなると考えられる。
テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、-2σから-1σの間で、週足14週のRSIは、30%台となっており、下げ過ぎと言える状況となっている。なお、日足ベースでは、2月上旬以降、111円から115円程度のレンジ相場となっていることから、そろそろレンジブレイクがあっても不思議ではない状態である。
以上を考慮すれば、テクニカル面だけでなく、ファンダメンタルズ面でも連銀総裁クラスからタカ派の発言が飛び出していることから、強気で考えて良いだろう。さらに、CMEのポジションを見ても、円買いポジションが減少していることから、投機筋についても、一旦、円買建玉の手じまいを進めている可能性が高いはずだ。注意すべき点としては、やはり雇用統計で、その結果次第では、流れが一変することから、過度な強気は禁物だろう。(ZUU online 編集部)
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