自動運転,居眠り運転
(写真=Thinkstock/Getty Images)

春眠暁を覚えず……うつらうつらとする春の居眠りは気持ちの良いもの。だが、それが運転中ともなれば、大惨事となりかねず、非常に危険だ。長距離トラックやバスの運転手は過重労働が指摘されており、睡眠不足からつい居眠りし事故を起こす可能性がある。今日はそんな運転手の方々に朗報だ。

電子部品製造会社のホシデン <6804> が運転手の眠気を検知できる装置を開発したのだ。車内のCO2(二酸化炭素)量を測定し、30秒間の車内のCO2量のデータを平均化、数値が一定以上に達すると、運転手に向け警告音やアロマで注意を喚起するという。自動車業界に売り込み、2020年までに量産化を目指すとしている。

悲惨な交通事故が後を絶たない

全国の交通事故は年間70万件近くも発生している。そのうち「居眠り」が直接的な原因とされているものは、2万件程度で全体の約3%に過ぎない。しかし、間接的な原因を含めるとその数字は大きく跳ね上がる。全日本ドライビングテクニック向上協会発表の交通事故の原因ランキングを見ると、上位から、①安全不確認、②わき見運転、③動静不注視、④漫然運転、⑤運転操作不適――となっているが、前方不注意などのわき見運転や、ハンドルの操作ミスなどの運転操作不適も含め、50%程度が「居眠り」「睡眠不足」に起因するものとされている。

また、居眠り運転では、猛スピードで壁や中央分離帯などの障害物や、ほかの自動車、歩行者との衝突につながるため、通常の交通事故の5倍以上の確率で死亡事故につながるとされる。

にもかかわらず、「居眠り」を原因とした交通死亡事故は後を絶たない。2011年2月には、東名自動車道のトラックに追突され母娘ら3人が死亡した。事故の原因は運転手の「居眠り」だ。同年6月には名神自動車道で5台の玉突きが発生、2人が死亡する事故となった。こちらも「一瞬、居眠りをした」(事故を起こした運転手の供述)のが原因だ。

さらに、2012年4月の関越自動車道で起こった高速ツアーバスの防音壁衝突事故を覚えている人もいることだろう。運転手が居眠りしながら時速90キロを超えるスピードで側壁に衝突するというもので、乗客7人が死亡した。昨年8月には静岡県内の国道で55歳の男性が大型トラックを居眠り運転し、6人を死傷させる多重衝突事故を起こし、同12月に禁錮3年の実刑判決を受けている。これらの事故は氷山の一角であり、メディアで取り上げられない事故も相当あるだろう。

交通事故ゼロの社会を目指して

交通事故の根絶を目指すには、ホシデンのように運転者に警告を発して「居眠り運転」などの原因を排除する技術が必要だ。それと同時に自動運転技術の普及も大きなテーマとなる。先行する自動車をセンサーやカメラで認識し、自動ブレーキを掛けたり、車線変更を可能とする次世代の技術開発が各国で進行中だ。米運輸省高速道路交通安全局は自動ブレーキシステムを2022年9月までに全車に標準搭載することを日欧メーカーなど世界の20社と合意した。また、米調査会社「IHSオートモーティブ」によると、自動運転車は2030年前後から急速に普及し始め、2035年には自動運転車の販売台数が1180万台と世界の自動車販売の約10%を占める見通しとなっている。

自動運転関連株として、まず思い浮かぶのは自動車メーカー各社であるが、それだけではない。ITを搭載した自動運転車は、センサーなどのハードと人工知能のソフトが不可欠だ。このため、電子部品株やソフト株などの関連銘柄が多数ある。最近、東京株式市場で人気となったアイサンテクノロジー <4667> は自動運転の公道実験に参加している。東芝 <6502> は画像認識半導体を開発し、衝突回避システムへの売り込みを図る。ソニー <6758> はセンサーの感度を従来品の10倍に高めた自動運転用カメラを手掛けているほか、画像センサーと人工知能の融合を研究開発中だ。車載向け半導体でトップシェアのルネサスエレクトロニクス <6723> は自動運転用リアルタイム画像処理が可能な内臓半導体を開発している。

TDK <6762> はステアリング制御用センサーを量産化しているほか、JVCケンウッド <6632> は、デンソー <6902> のレーザーセンサーと組み合わせた監視カメラシステムを開発。北陸電気工業 <6989> は自動車の横滑りやスピン状態から適正な走行状態に復元するシステムに利用する加速度センサーを手掛けている。アートスパーク HD <3663> は、子会社が自動運転にも技術を転用できるロボット制御用インターフェースを開発。自動車テレマティクス事業を展開しているネクス <6634> も関連銘柄だ。(金融ライター 鈴木ロミオ)

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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