民泊ビジネス
(写真=PIXTA)

多くの人は「お金が欲しい」「稼ぎたい」と考えながら、その方法を思いつけずにいる。「お金を稼ぐ」とは、つまり価値を生み出すことである。事務職だろうが営業だろうが、価値を創造するための一翼を担っていることに変わりはない。より多くのお金を稼ぎたかったら、いかに多くの価値を生み出すかにかかっている。

お金を稼ぐ方法を、別に難しく考える必要はない。何もないところから価値を生み出そうと思うから難しいのであって、今あるものに新たな価値をつけ加えればいいのである。

一例でいうなら最近、注目を浴びるようになったAirbnbなどは、まさに「今あるものに付加価値をつけた」サービスの典型である。

Airbnbは、民泊ビジネスの最大手。Airbnbとは、空きスペースを宿泊施設として利用するためのシステムであり、それを運営している会社のことである。宿泊ビジネス自体はすでにあり、民泊はそこにシェアエコノミーの考え方を当てはめただけで、どちらも目新しいものではなかった。

ビジネスの基本的な考え方とは、このように何かと何かを掛け合わせることである。

「トラブル=危険なビジネス」なのか?

さて。民泊ビジネスとは、現状は対応した法令はなく、それに近い旅館業法などを当てはめている。つまり、新しい業界のため、法律が追いついていないのである。

最近は、民泊が急激に広まってきた結果、さまざまな問題が噴出している。大家に無断で営業していたり、近隣住民への迷惑や、犯罪行為に民泊が利用されたりといったトラブルである。

しかし、これは新しいビジネスが確立するまでの過渡期の問題であって、「トラブル=民泊は危険なビジネス」ということではない。どのようなビジネスでも真っ直ぐ一直線にいくことなどありえず、淘汰されながら成長していく。

あるビジネスの将来性を見通したければ、そのビジネスモデルが人の生活をどれだけ豊かにできるのかに注目すればいい。関係者がみな喜んでいるビジネスが、基本的になくなることはないのである。

民泊が小さい者に有利な理由

民泊ビジネスは、小さな者でも勝てるビジネスモデルになっている。基本は不動産事業なので、サラリーマンでも容易に参入できる。どの点が小さい者に優位なのかを見てみよう。

1.「特別感」に応えられる

大企業モデルとは、「数」「規模」「大きさ」などで他を圧倒することが基本的戦略となる。中でも「画一化したサービス」は常套手段だが、今の消費者は「自分にとっての特別感」を求めている。

こうしたニーズは、小回りのきく小さな者の方が有利な場合が多い。そうした特別感を演出するのに、Airbnbのビジネスモデルは非常にマッチしている。

具体的にいうと、ゲストとのやりとりや部屋の内装の工夫などで、差別化しやすいのである。

2.究極の局地戦

民泊ビジネスとは、究極の局地戦である。もちろんどこで営業するかは売上に直結しており、その点でいうと資本が大きい大企業の方が、良い立地をおさえやすい立場にいる。だが局地戦のため、大企業の利点である「数」や「大きさ」は生かしきれない。

「安心」は大企業の重要なアピールポイントだ。しかし民泊の場合、利用者はAirbnbというシステム自体に信頼を寄せており、そこが「安心」を担保しているのである。

3.エイジングが長い方が有利

Airbnbは物件の評価が星の数とレビューで表されており、ゲストはそれを頼りに物件を選ぶシステムになっている。だから高評価が多い物件の方が、競争優位性が高い。よって早く参入し、より多くの評価を得ることが成功への近道となる。

実際に大企業が進出できるようになれば、向こうは今挙げた点を考慮してくるだろうが、その前に入っておけば共存は可能である。彼らの後に参入となると、事情は異なってくるだろう。

大企業が法律の壁に阻まれ参入できない今(2016年4月末現在)は、小さい者にとっては自分の足固めをする絶好の機会なのである。

ビジネスを成功させる上で大事な2つのポイント

実際のところ、行政も民泊を積極的に進めたいのが本音である。現在、数々の経済政策が必ずしもうまくいっていない中で、外国人観光客が増えているのは明るい材料であり、経済的な効果やオリンピック開催のことを考えれば、むしろ認可は当然の流れである。

規制緩和が一筋縄でいかないのは、ホテル・旅館業界など既存産業からの反対があるからである。彼らは消防法などの法律を遵守し、そのための設備を設け、人を宿泊させるための設備投資をしてきた人たちだから、不満に思うのは無理もない。行政には、ぜひ共存共栄を目指した仕組みを期待したいところである。

ここまでAirbnbを例に挙げながら、ビジネスの基本的な考え方を見てきたが、著者の考えるビジネスを成功させるポイントとは「トレンド」と「タイミング」である。

トレンドとは「時流にのっている」こと。タイミングとは「いつ参入すると儲かるのか」ということである。もちろん創業直後に投資するのが一番だが、まだ出始めのビジネスの将来性を見抜ける人というのはなかなかいない。そうなると、次に儲かるタイミングとは「流行りはじめ」ということになる。

そういう意味で、民泊はまさに今「トレンド」と「タイミング」がマッチした、旬のビジネスだといえるだろう。

俣野成敏(またの なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)や『一流の人はなぜそこまで◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に10万部超のベストセラーに。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、「お金・時間・場所」に自由なサラリーマンの育成にも力を注ぐ。

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