先週の日本株の動き

2日の東京株式市場は、前週に発表された日銀金融政策決定会合での追加緩和見送りを理由にドル円相場で円高が進んだことで、外需関連銘柄を中心に幅広く売られる流れとなった。日経平均株価は、前週末比518円67銭安の1万6147円38銭で大引けとなった。

連休を挟んで6日の東京株式市場は、ドル円相場が落ち着きを見せたことで朝方は買いが入ったものの、中国株安や米雇用統計を控えて、ポジションを調整する動きもあったことから、日経平均株価は、前日比40円66銭安の1万6106円72銭で週の取引を終えた。

先週の外国為替の動き

2日の東京市場は、前週の日銀金融政策決定会合で追加緩和がなかったことから、円を売る動きとはならず、一時、106円12銭まで下落した。ただ、仲値公示にかけてやや円安に進み、海外市場では、米10年債利回りの上昇などから、106円83銭まで値を戻した。それでも、上値の重い流れは変わらず、結局106円台前半に押し戻されてニューヨーククローズとなった。

3日の東京市場は、祝日のため、取引参加者は限定的だったが、仕掛け的な円買いの動きから105円台に突入した。海外市場序盤に、105円53銭の安値を付けた。ただ、その後は、ショートカバーが入っただけでなく、麻生財務相や黒田日銀総裁による円高けん制発言もあり、106円台後半まで値を戻した。

4日の東京市場も祝日のため薄商いだったものの、前日海外市場の流れを引き継ぎ、107円37銭まで上昇した。海外市場では、上値の重い展開となり、ADP雇用統計が市場予想を下回ると、106円24銭まで下落した。ただ、その後は、ISM非製造業景況指数の結果などから値を戻し、107円程度でニューヨーククローズとなった。

5日の東京市場は祝日のため、方向感に欠ける展開となった。海外市場では、新規失業保険申請件数が悪化したことで、106円台後半まで下落したものの、安倍首相の円高けん制発言から、一時、107円51銭を付けた。もっとも、その流れも長くは続かず、すぐに107円台前半でもみ合いとなった。

6日の東京市場は、夜間に雇用統計を控えていることもあり、上値の重い展開が続いた。海外市場では、米雇用統計が市場予想を下回る結果となったことで、一時、106円34銭まで下落したが、その後値を戻し、107円台で週の取引を終えた。

今週の株式および為替展望

今週注目される経済指標は、9日の日銀金融政策決定会合議事要旨、10日の中国4月消費者物価指数、中国4月生産者物価指数、11日の3月景気動向指数、12日の景気ウォッチャー調査、日銀金融政策決定会合「主な意見」、13日の米4月小売売上高、米4月生産者物価などである。

なお、国内企業の決算も多く予定されており、9日は、日ハム <2282> 、三菱重工 <7011 > 、住友商事 <8053> 、10日は、味の素 <2802> 、武田 <4502> 、三菱商事 <8058> 、三井物産 <8031> 、三井不動産 <8801> 、ソフトバンク <9984> 、11日は、清水建設 <1803> 、明治HD <2269> 、トヨタ <7203> 、ヤマハ発 <7272> 、三菱地所 <8802> 、12日は、日清粉G <2002> 、日清食HD <2897> 、楽天 <4755> 、日産 <7201> 、KDDI <9433> 、13日は、大成建 <1801> 、鹿島 <1812> 、カルビー <2229> 、資生堂 <4911> 、日立 <6501> 、ホンダ <7267> 、みずほFG <8411> 、第一生命 <8750> 、NTT <9432> などである。

日本株見通し

6日に発表された4月米雇用統計は、失業率は5%を維持したものの、非農業部門雇用者数が16万人増と市場予想を下回る結果となった。これを受けて日本株は下げて始まる可能性がある。しかし、ドル円相場も107円台とそれほど下落しておらず、平均時給が前年同月比2.5%の伸びとなったことを考えると影響は軽微と考えてよいだろう。

また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足がマイナス1σ付近であり、週足14週のRSIは、40%程度と、割安感はない状態だ。

以上を考慮すれば、雇用統計やテクニカル面での方向感はあまりないことから、有力企業決算の結果と3月や4月の日銀金融政策決定会合議事要旨、主な意見等に左右される展開となりそうだ。

為替市場は、米雇用統計の結果を受けてFRBによる6月利上げの可能性が後退したとの見方が中心となり、米国株高、米国債安(利回りは上昇)となったことで、ドル円相場への影響は限定的となった。しかしながら、目先は債券安で反応したものの、今後は、利上げ確率の低下から日米金利差縮小によるドル円相場での円高進行の可能性があるだろう。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、-2σ程度まで伸びており、週足14週のRSIは、30%程度となっており、引き続き、下げ過ぎといえる水準となっている。

以上を考慮すれば、テクニカル面では反転の可能性を示しているものの、収縮していたボリンジャーバンドの拡大に連れて、下落することも多く、早期利上げの可能性が低下したことや、投機筋の円買いポジションも引き続き高水準であることなどを素直に解釈し、弱気スタンスを継続すべきと考える。(ZUU online 編集部)

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