6日の東京株式市場は、前週発表された米雇用統計が市場予想を大きく下回るものだったことで、利上げ期待の低下からドル円相場が106円台まで下落した。これを受け、日経平均株価は、一時、300円以上下落する場面もあったものの、政府の政策期待を背景に下げ渋り、前週末比62円20銭安の1万6580円03銭で取引を終えた。

7日の東京株式市場は、ドル円相場が107円台後半まで値を戻したこともあり、外需関連を中心に買いが入った。日経平均株価は、前日比95円42銭高の1万6675円45銭で大引けとなった。

8日の東京株式市場は、1-3月期GDP改定値で上方修正が発表されたことなどから円買いの流れとなった。前場は下落していたものの、中国の5月貿易収支が弱い内容だったものの、輸入が改善基調だったことでリスクオンとなり、日経平均株価は、前日比155円47銭高の1万6830円92銭で取引を終えた。

9日の東京株式市場は、ドル円相場で円高が進行し、外需関連銘柄を中心に売られる流れとなり、翌日に特別清算指数(SQ)算出を控えていることも重なって、積極的な売買が手控えられたこともあり、日経平均株価は、前日比162円51銭安の1万6668円41銭で大引けとなった。

10日の東京株式市場は、SQ算出を無難に通過したものの、週末要因からポジションを調整する動きが出たことで、日経平均株価は、前日比67円05銭安の1万6601円36銭で週の取引を終えた。

今週の株式展望

今週注目される経済指標は、13日の4-6月期法人企業景気予測調査、中国5月鉱工業生産、中国5月小売売上高、中国5月都市部固定資産投資、14日から15日のFOMC、15日の米5月小売売上高、15日の5月訪日外客数、米6月NY連銀製造業景気指数、米5月鉱工業生産、15日から16日の日銀金融政策決定会合および黒田日銀総裁の会見、16日の米1-3月期経常収支、米6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、18日の米5月住宅着工件数などである。

今週の日本株であるが、注目はFOMCと日銀金融政策決定会合だろう。ただ、FOMCについては、イエレンFRB議長の先日の講演で米雇用統計の悪化から6月利上げの見送りを示唆したことから、サプライズは考えにくく、FF金利見通しやイエレンFRB議長の会見に関心が集まる流れとなることが想定される。

日銀金融政策決定会合は、追加金融緩和期待が膨らんでおり、市場関係者でも6月、7月の緩和予想が中心となっていることから、週の半ばまでは期待感から買われる流れが想定されるはずだ。

また、テクニカル面は、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が移動平均線からマイナス1σの間であり、週足14週のRSIは、40%台半ばと、特段方向感はない状態となっている。

以上を考慮すれば、FOMCで利上げの可能性は低いもののすでに織り込み済みであるため、大きな動きが出る可能性は低いと考えられる。FF金利見通しやイエレンFRB議長の会見から利上げペースを読み解く展開となるが、見通しの引き下げは、円高が進む可能性が高い。これは株価の下落要因となるものの、米国株高に動く可能性が高く、株価上昇要因でもあるため方向感は出づらいはずだ。

そして、日銀金融政策決定会合は、追加金融緩和があれば、素直に市場が反応するだろう。仮に追加緩和がなかったとしても、黒田日銀総裁の会見から7月緩和の可能性が残されれば、株価上昇要因となりえることから、強気で考えるのが妥当である。(ZUU online 編集部)

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