6月13~17日の東京株式市場は売り優勢の展開となった。EU離脱をめぐる英国の国民投票で離脱派優勢との見方が広がった。リスク回避の動きが強まり円高、日本株安へと連鎖した。
15~16日開催の日銀の金融政策決定会合では金融政策の現状維持が決まり、追加緩和を見込んで円を売っていた投機筋の買い戻しが入り、円相場は一時1ドル=103円台まで上昇した。日経平均株価は16日の終値が1万5434円14銭となり、終値では今年2月に1万4952円を付けて以来の低水準となった。日本株には割安感が広がりつつあるが、英国のEU離脱問題が決着するまでは先行き不透明感が強く、投資家にとっては仕掛けにくい環境にある。
低位株中心、出来高は減少傾向
それでは、今回は東証1部の週間出来高上位10社の顔ぶれを見ていこう。
(1) みずほフィナンシャルグループ <8411> 6億9686万株
(2) 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 3億6518万株
(3) 東芝 <6502> 3億1281万株
(4) 神戸製鋼所 <5406> 3億0340万株
(5) 野村ホールディングス <8604> 1億3812万株
(6) IHI <7013> 1億3549万株
(7) 日立製作所 <6501> 1億3321万株
(8) 新生銀行 <8303> 1億0561万株
(9) ユニチカ <3103> 1億0181万株
(10) 日本郵船 <9101> 181円 9916万株
※6月16日現在。出来高は千株単位切り捨て。
ランキングには安定感のある金融、電機などの低位大型株が並んだ。4月中旬に出来高ランキングを取り上げた時と比べると、最近は東京株式市場の出来高は減少傾向にある。その中で今回3位の東芝は出来高が増加し、株価も上昇しており異彩を放っている。
みずほフィナンシャルグループ、利ざや縮小に警戒感
それでは、出来高上位ランキングからみずほフィナンシャルグループ、神戸製鋼所、日本郵船を取り上げたい。
みずほフィナンシャルグループは出来高上位の常連銘柄。今期配当予想は一株7円50銭で、配当利回りが4.74%(6月16日終値ベース)と高水準だ。日銀のマイナス金利政策により利ざやが縮小していることが減益要因となる。足元では、海外勢などの売りに押される場面が散見された。
神戸製鋼所が約3カ月半ぶりの安値
神戸製鋼所は高炉3位の鉄鋼大手。鉄鋼事業の比率は他の高炉大手より低く、銅やアルミ、建機なども手掛け、事業領域が幅広い。
グループ会社の神鋼鋼線ステンレスが、強度に関する試験データを改ざんし、JIS規格に適合しないバネ用鋼線を約9年間にわたり出荷していたと9日に発表した。データ改ざんは燃費データを不正に操作した三菱自動車の発覚から日が浅いこともあって、市場では売り材料とみなされた。株価は下落し、約3カ月半ぶりに90円の大台を割り込んだ。
日本郵船、海底油田開発事業に参入
日本郵船は国内首位の海運大手。世界的な景気減速懸念や英国のEU離脱に伴う混乱が嫌気され、株価は軟調な展開が続いている。
日本郵船はこのほど、海底油田開発事業に参入すると発表した。千代田化工とシンガポールの海洋開発会社の合弁会社の株式を買い取り、出資比率25%の株主となる。原油価格が下落したことで、海底油田開発に投資するタイミングが到来したと判断したようだ。(ZUU online 編集部)
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