優待,配当,損
(写真=Thinkstock/Getty Images)

株式投資ならではの魅力といえば、株主優待や配当だ。権利が確定する日に株式を持っているだけで、配当を受け取ることができるという分かりやすさ。そして手堅さから、個人投資家に人気だ。その手軽さゆえに、間違った投資法に陥っていることに、多くの個人投資家は気づいていない。

配当が水の泡? 株価変動には要注意

株式投資の利益は、インカムゲインとキャピタルゲインに分かれる。

インカムゲインは、株式配当や優待など株式を保有することで得られる、安定的な権利収入だ。一方のキャピタルゲインは、株式の売買で得られる収入だ。株価は一日あたりの変動(ボラティリティという)が非常に大きく、数日間で年間の配当以上も動くことがある。せっかく株式配当を得ても、株価変動による損失が大きければ、最終的には損をしてしまう。

株主優待投資を楽しむためにも、株価の変動を読み、売買損益をしっかり確保する。その上で、+αの利益として、株式配当や株主優待を手に入れる投資をするのがいいだろう。

多くの個人投資家は、株主優待や配当を調べて、魅力的な銘柄を見つけると、権利確定日をチェックする。その期日が近づいたら株式を購入し、権利落ちの日に売却することを繰り返す。多くの投資家が同じ行動を取るので、権利確定日が近づくと、買い注文の増加で価格が上昇し、権利落ち日には売り注文が増加するために、価格が下落する傾向が高い。

株価の毎日の変動は大きいことを考えると、配当や優待を狙う投資だとしても、価格が安いところでしっかりと買いを仕込むことが重要だ。ここからは、安いところで買いを仕込んで、配当や優待を獲得した上で、売買利益も獲得する投資法を紹介したい。

指標を見ながら優待・配当銘柄も安く買うべし

優待や配当が魅力的だと思う銘柄の月足チャートを確認していただきたい。1年間の値動きの中には、年に何度か大きく下落した後で、上昇するパターンを確認できはずだ。株価には、数時間の短い上下動から、数年をかけて形成するとても長い上下動まで、様々な上昇と下落がある。特に極端な安値や高値を確認する指標として、テクニカル分析におけるオシレーター系の指標を確認して欲しい。

筆者は、オシレーター系の指標の1つとして、RSI(Relative Strength Index)を使っている。この指標は、一定期間の値動きの幅に占める陽線の割合と考えることができる。陽線とは、主に市場参加者の買い心理により形成される値動きなので、RSIの値が高ければ高いほど、市場参加者の買い意欲が強いと考えられる。逆に、RSIの値が低ければ低いほど、市場参加者の買い意欲は弱い。

月足でRSIを確認すると、時に極端に低い値を形成している時間帯が存在する。投資家の買い意欲が弱くなり、逆に売り意欲が強くなっていることを意味している。いわゆる弱気の時間帯だ。しかし、市場参加者の心理が、ずっと弱気であることはなく、いつか上昇に転じる性質を持っている。この弱気な時間帯こそが、株主優待投資法のチャンスだ。月足のRSIを確認し、極端に弱気に傾いたところで買いを入れ、じっと待つのだ。

優待・配当銘柄こそ"気長に"長期投資を

この投資法の目的は、権利確定日に株式を保有していることであり、上昇を焦る必要はない。時間をかけて株式を保有すれば、いつか弱気が終わり、上昇が始まれば、後を追うようにして、市場参加者が強気に転じてくる。この値動きのどこかで権利確定日を迎えれば、配当や優待だけでなく、株式の売買利益も手に入れることができる。

もし本当に配当や優待に魅力があり、株価の上昇が継続する可能性があるのであれば、何も権利落ちの日に売る必要はない。2〜3年保有して、その間ずっと魅力的な優待や配当を貰うといい。その時、株価はさらに上昇を続け、売買利益は大きく育っていることだろう。

理想的な株主優待投資法とは、株価の長期的な安値で株を買い、長期に保有する投資法だ。短絡的な視野とアイディアに捉われず、長期的な視野と深い思慮で、本当に魅力的な株主優待投資法を確立してみよう。その時、あなたの株式投資はさらに楽しいものへと変わる。

松下 誠(まつした まこと)
まこと投資スクール株式会社 代表取締役
2001年2月に株式投資と商品先物投資を開始。1年半で1500万円の資金を失うも、諦めることなくトレードを学び、厳格な資金管理とトレードルールを作り上げた。直接指導した投資家は3万人以上に及ぶ。松下誠が運営する投資情報サイト「 インベスターズクリニック

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