8日の東京株式市場は、前週末に発表された米雇用統計が良好な結果だったことに加え、日銀によるETF買いの思惑もあったことで、日経平均株価は、前週末比396円12銭高の1万6650円57銭で取引を終えた。

9日の東京株式市場は、特段材料はなかったものの、日銀金融政策決定会合で決定された6兆円規模のETF買いが相場の下支え要因となり、積極的に売りづらい地合いとなった。日経平均株価は、前日比114円40銭高の1万6764円97銭で大引けとなった。個別銘柄では、コマツ <6301> が年初来高値を更新した。

10日の東京株式市場は、ドル円相場で円高が進んだことで、下落したものの、引き続き日銀によるETF買い観測が相場の下支え要因となり、日経平均株価は、前日比29円85銭安の1万6735円12銭で取引を終えた。

11日は山の日のため休場。12日の東京株式市場は、ドル円相場で102円程度まで円安が進んだだけでなく、休み中の海外市場で株価が上昇したことからリスクオンの流れとなり、日経平均株価は、前営業日比184円80銭高の1万6919円92銭で週の取引を終えた。

今週の株式展望

今週注目される経済指標は、15日の4−6月期GDP、米8月NY連銀製造業景況指数、16日の7月首都圏新規マンション販売、米7月消費者物価、米7月住宅着工件数、米7月建設許可件数、米7月鉱工業生産・設備稼働率、17日の7月訪日外客数、18日の7月貿易収支、米7月CB景気先行総合指数などである。

今週の日本株であるが、単体で相場に大きな影響を与えるような重要な経済指標はなく、大きなトレンドは出にくいと考えられる。それでも、先週より続いている日銀によるETF買い期待は今週も続く可能性があるだろう。

ただ、この上昇は中長期的に続くものだろうかは様子見が必要だろう。ドル円相場は102円から101円程度で推移しており、年初には120円台だったことを考えれば大幅に円高に推移している。さらに、企業の想定為替レートは、105円から110円となっていることから、輸出関連銘柄は間違いなく業績に影響があるはずだ。実際、4−6月期決算で多くの企業の経常利益は前年同期比を下回っており、世界経済の停滞に加え、為替レートが円高に推移した結果といえるだろう。

今まで高い正の相関関係にあった、ドル円相場と日経平均株価の関係がここにきて崩れているが、ドル円相場での円高と企業業績の悪化が目に見えて明らかである以上、水準訂正があるのは、ドル円ではなく、日経平均株価ではないだろうか。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が移動平均線と1σの間であり、週足14週のRSIは、50%台後半と、中立からやや買われ過ぎの状態となっている。

以上から、日銀によるETF買い期待による上昇の可能性はあるものの、やや弱気で考えるのが妥当ではないだろうか。(ZUU online 編集部)

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