ブランド総合研究所が発表した地域ブランド調査2016で、魅力のある市区町村トップ100が公開された。ここでは30位から順に見ていこう。
調査は、国内1000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全77項目からなる「地域ブランド調査2016」で行ったもので、今年で11回目。全国の消費者3万372人から有効回答を得た。
順位(前年)市区町村(都道府県)魅力度
30(17)那覇市(沖縄県)23.9
29(26)出雲市(島根県)24.0
28(18)旭川市(北海道)24.1
27(16)姫路市(兵庫県)24.2
26(31)名古屋市(愛知県)24.5
25(18)仙台市(宮城県)24.6
24(32)渋谷区(東京都)24.9
23(37)登別市(北海道)25.5
21(22)伊勢市(三重県)26.4
21(27)伊豆市(静岡県)26.4
20(30)箱根町(神奈川県)27.0
19(38)尾道市(広島県)27.3
18(13)熱海市(静岡県)28.3
16(15)石垣市(沖縄県)28.4
16(23)長崎市(長崎県)28.4
15(11)軽井沢町(長野県)29.2
14(21)福岡市(福岡県)29.5
13(25)新宿区(東京都)30.7
11(12)日光市(栃木県)31.0
11(13)屋久島町(鹿児島県)31.0
東京・新宿区が大躍進、都心区部の魅力アップ
20位以上を分析してみる。20位の箱根町(神奈川県)は前年の30位から大幅に順位を上げた。もともと都心からのアクセスが良く、観光、温泉地としてもブランド力は強いエリアだが、2015年大涌谷の火山噴火の影響からも立ち直った形だ。
19位は尾道市(広島県、前年38位)と、こちらも順位の上昇が目立つ。独特の路地や文化遺産などが魅力で、地域ぐるみで取り組む観光客誘致などが評価された。
18位は熱海市(同13位)。同率で16位となったのが、石垣市(沖縄県、同15位)、長崎市(同23位)で、15位は軽井沢町(長野県、同11位)だった。
14位は福岡市(同21位)となり、こちらはアジアを中心とする外国人観光客誘致や、九州中核都市としての魅力をアピールした。
13位に東京都の新宿区(同25位)が入ったのが注目される。東京都の区部では、渋谷区が前年32位から24位に、目黒区が同45位から32位に、世田谷区が同91位から35位にランクインしている。
今回ランクインした市区町村の多くは観光都市としての顔が大きい。しかし、これら都心区部は、居住意欲、地域資源評価といった項目からも高得点を得たようだ。最近の都心回帰の動きや外国人観光客の利便性が高いことなども寄与している。
地域ブランドについては、観光イメージと重なることが多い。都心区部のメリットは、日本人、外国人を問わず、訪問先となる可能性が高く、宿泊施設も充実している点だろう。
トップ10の結果は?1位は3年連続4度目
10(10)別府市(大分県)33.8
9(4)神戸市(兵庫県)37.0
8(9)金沢市(石川県)37.1
7(8)鎌倉市(神奈川県)38.0
6(6)富良野市(北海道)38.9
5(5)横浜市(神奈川県)41.5
4(7)小樽市(北海道)42.9
3(2)札幌市(北海道)43.6
2(3)京都市(京都府)45.1
1(1)函館市(北海道)46.8
10位から1位までは順位は入れ替わるものの、ランクインしている市区町村は同じ顔ぶれだ。ここでは観光地としてのイメージが圧倒的に強い。
9位は神戸市(兵庫県、前年4位)。異国情調あふれる街並みやおしゃれなイメージから順位を前年から大幅に上げた。
8位の金沢市(同9位)は、魅力度点数を前年36.6点から37.1点に上げた。北陸新幹線開業の好影響が続き、それに伴って整備した観光資源が寄与した形だ。
7位の鎌倉市(神奈川県、同8位)は順位を上げたが、魅力度点数は下がっている(前年40.5点から38.0点)。
6位に富良野市(北海道、同6位)がランクインしているが、気になるのは魅力度点数の低下。前年の42.4点から38.9点になっている。トップの函館市や上位にランクしている札幌市も同様だ。都道府県のブランドイメージでも北海道は依然トップだが、点数自体は低下し、過去最低の54.2点となっている。
5位は横浜市(神奈川県、同5位)と安定。観光地としても居住地としてもブランド力は圧倒的だ。4位は小樽市(北海道、同7位)と順位を上げた。歴史と自然が調和し、運河沿いの街並みがすぐ思い浮かぶ。
そしてトップ3だが、3位は札幌市(北海道、同2位)で、北海道勢の中心都市としてのブランド力を発信している。
2位は京都市(前年3位)。このあたりは、外国人観光客の人気も後押ししているようだ。北海道勢が上位を占める中で、歴史と遺産を誇る日本有数の観光都市の力を誇示している。
そして、全国で魅力的とされた上位100市区町村のうち、3年連続4度目の1位となったのは函館市(北海道)だった。2016年3月に開業した北海道新幹線による影響も大きく、観光事業への取り組みなどが評価された形だ。
調査の回答者は20代から70代まで幅広いが、調査の評価対象として認知度、魅力度、情報接触度などのほか、ご当地キャラクターなどのコンテンツ、歴史、文化などの地域イメージなども加えているため、総合力で勝った。
函館といえば函館山の夜景が有名だが、外国人観光客の増加に伴って最近ではエリア全体をアピール。五稜郭からベイエリアの金森赤レンガ倉庫、湯の川温泉や谷地頭温泉までも含んだアクセスの良さが人気を高めているようだ。
とはいえ、前述したように魅力度の点数では前年から低下している(函館市は前年51.7点から46.8点、札幌市は50.1点から43.6点、小樽市は42.3点から42.9点)。明らかに北海道独走状態が変わりつつある点が気がかりだ。魅力度を発揮するためには、仕掛けも必要になる。地域ぐるみの取り組みなど、今後の巻き返しにも期待したい。(ZUU online 編集部)
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