自動運転,キア,テスラ
(写真=PIXTA)

自動運転車が洗車機にかけられないというアメリカのニュースが話題を呼んだ。自動運転車のセンサーが洗車機のブラシやノズルを脅威と感知してしまうからだそうだ。

完全自動運転車はまだ一般に使用される段階にないので、今後はこのような実態に即したトラブルもたくさん出てくるだろう。

2030年までに完全な自動運転量産車を

1つめの課題は、日常の使用に関する細かい側面だ。冒頭に紹介した洗車機の件の経緯はこうだ。自動車情報サイトBestRide.comの編集者が、韓国キアモーターズのカデンツァというクルマで洗車機テストを試みた。

洗車機に乗ってギアをニュートラルにした。コンベヤーがクルマを移動させようとしたが、車は動こうとしなかった。自動ブレーキが働いたせいだ。

幸いにしてこのクルマの場合はこの機能を簡単に解除できたという。テスラなどメーカーによっては、簡単なアシスト機能の解除法を提供しているところもあるそうだが、すべてのクルマでも用意されているとは限らない。

なお日本ではキアブランドが導入されていないためあまり実感がないのだが、キアでは自動運転車に力を入れている。韓国のヒュンダイ自動車グループではキア自動車独自の自動運転ブランドである「ドライブワイズ」というシステムを発表し、2030年までに完全な自動運転量産車を生産すると公言している。

先の洗車に関しては、センサーをカットする方法を調べるか、あるいは手洗いをすれば良いと思う。少し不思議に思ったのは、日本では洗車機に入る時にエンジンを切っているため、自動運転車も電源を切るのでセンサーが働かないというふうに考えてしまうのだが、この場合は違うのだろうか。

いずれにせよ、これから各メーカーが自動運転車の開発には今まで以上に力を入れて競争力が生まれてくる。普通のクルマとして日常生活に即したツールになるまでには、このような細かい問題が次々出てくるはずだ。

自動車保険の抜本的な見直し

2番目は、自動車保険の見直しである。アメリカの米国運輸省道路交通安全局や日本政府が定めているロボットカーの自動化レベルには、全5段階(0〜4)がある。レベル1はハンドルブレーキアクセルのうち1つが実用化されている状態を指す。レベルには2つ以上の機能が同時に行えるもの、具体的にはクルマのスピードを自動で制御しながら車線を変えて追い越しができる車がすでに発売されている。

レベル3はレベル2を高度化して無人運転が可能なレベルだがここまではドライバーが乗り込むことが条件となっている。そしてレベル4はドライバーを必要としない完全自動化の無人運転という状態を指す。

もし運転中に事故が起きればレベル1と2ではドライバーが責任を取り、レベル4ではシステムが責任をとるが、レベル3ではドライバーとシステムが分担する形を想定している。
レベル3とレベル4のクルマすなわち、有人のクルマと無人のクルマで事故を起こした場合、過失責任はどうあるべきかというのはとても難しい問題だ。

避けられない事故の時に最終判断をどのようにすべきなのかということも、しばしば議題になる。例えば、正面から逆走した大型トラックが来たが、左も右も他の車線のクルマに衝突してしまうという状況を考えれば、どのようにシステムが回避するのが最適なのかというのは回答が出ていない問題である。

これは自動車の保険制度を抜本的に見直さないとならないことに通ずる。過失割合の証明がかつてないほど難しい時代に突入していくのではないだろうか。

交通法規を自動運転車に遵守させる

3番目は、交通法規についてだ。自動運転車に交通ルールを守らせるということは簡単なようで案外難しい問題でもある。例えば、信号の黄色になり始めたばかりの時に、人間なら急に止まると危ない場合は、安全を確認して進むことを選ぶだろうし、赤になりそうな場合は止まるという判断ができるが、自動運転車はそういった臨機応変な判断というのは難しく専用の電波発信機を併置するということになりそうだ。

その場合も、各国で電波帯域が異なるので国際規格に関しても統一が難しい。それから信号機が故障などをした場合、自動運転車の対応として判断させていくというのも課題である。またこういったインフラ整備に関しては莫大なコストがかかるということも忘れてはならない。

ただし、自動運転化を進めることによって、交通事故やドライバーの疲労の軽減化、また新しい雇用の創出ということも考えられ、そのメリットは大きい。実現までには相当なハードルがあるが課題を払拭してぜひ実現させてもらいたい。(高橋大介、モータージャーナリスト)

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