住宅ローンの借り換えがブームと呼べるほどの人気です。金利が低い水準を保っているからでしょう。借り換えは簡単そうですが実際はそうではなく、新規で住宅ローンを組むときと同じくらい厳しい基準で金融機関の審査を受けます。
新規で住宅ローンを組んで借り入れしたときはスムーズに審査が通っても、借り換えできない、もしくは思っていたほど好条件の金利では借り入れできないというケースが多いようです。
借り換え先、つまり新しい金融機関を探すときに、どんなポイントで探したらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
金融機関は「大手」「地方など」「ネット」の3カテゴリーのそれぞれ一番推しを決める
住宅ローンを借りる先である金融機関には、大きく分けて「大手都市銀行」「地方銀行、信用金庫、信用組合、モーゲージバンク」「ネット銀行」の3カテゴリーです。このカテゴリーそれぞれで一番気に入ったイチオシの金融機関を決め、その3つから自分自身とその家族に最適な金融機関を一つ選び、借り換え申請をするとよいでしょう。
カテゴリーごとの特徴は、筆者の経験に基づけば次のとおりです。
大手都市銀行は、全国に支店やATMがあり、借り換え後に口座を持つことを考えると、便利です。ペアローンの対応ができる金融機関が多いのも特徴です。しかしながら審査が厳しく、金利も高めです。
地方銀行などは、地域ごとの特徴を生かしたキャンペーンをしていたり、一定の年齢までのローン申し込みだと、がん団信を普通団信と同じ条件で付けることができる特典が付いていたりします。
金利優遇も大きく、低い金利で借り入れできる可能性が高いです。地銀などは地域密着を売りにしているため、書類の手続きなどのために土日祝・昼夜問わず渉外担当者が自宅まで来てくれるなど、柔軟に対応してくれます。しかしながら、地域ごとの営業であるため、全国転勤の可能性がある人にとっては転勤後に不便さを感じるかもしれません。
ネット銀行は、窓口まで足を運ばなくても良く、ネット環境になれている人にとっては使いやすく、圧倒的に低い金利であることが多いです。しかし審査はとても厳しいのが現実。申し込みができる人の最低年収の設定を高めに設定しています。ネット銀行以外は申し込みできる年収を150万円~200万円としていますが、ネット銀行は300万円以上であることが多いのです。
金融機関のキャンペーンにこだわる
キャンペーンなどおトクな情報は各金融機関のWebサイトで確認できます。申込み日と融資実行日のどちらに適用されるかも確認しましょう。金利下げのキャンペーンを行っている金融機関の場合は、指定期間での申し込みであれば申込み時に金利を下げてもらえるよう交渉できる場合があります。
金利優遇が変わることがあるので、申し出なければ損。たとえば、住宅ローンを組む際に給与振込み指定・公共料金2つ以上・クレジットカード契約・カードローン契約などに新規で契約すればいいでしょう、優遇最大マイナス1.7%も実現します。
融資手数料、諸費用の違い、金利優遇はいつまでなのかもチェックする
実は金融機関へ住宅ローンの申し込みをするときには、融資手数料や保証料、その他諸費用がかかります。その諸費用の内訳と金額の違いも要チェックです。金融機関担当者の人柄、相性を確認。住宅ローンの相談から申込み、契約、資金受取りまで何か月にも渡っての付き合いとなるため、重要なポイントです。
固定金利期間選択型(たとえば、10年固定の場合、10年間は固定金利だが、その後は店頭金利の適用となるという住宅ローン商品)の場合、優遇期間終了後の金利優遇はどうなるのかを、借り入れ時に確認してきましょう。借り入れ時に特約の合意書の締結により、優遇期間終了後も店頭金利よりマイナス○%という特約つけることができるケースがあります。
「住宅ローンは金利重視だから借り換えしよう」「少しでもお得に借入したいから借り換えしよう」と考えがちですが、借り換え手続きは煩雑です。初めにお伝えしたように、新規の住宅ローン審査と同等もしくはそれ以上の厳しい審査を受けます。
諸費用がかかりますし、総額でみるとそんなにお得にならないケースもあります。借り換えを決めたら、慎重に金融機関を選び、ご家族のライフプランにあった借り換えなのか、じっくり考えて実行しましょう。(竹原庸起子、ひまわり法務FP事務所 代表行政書士)
【編集部のオススメ記事】
・「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
・資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
・会社で「食事」を手間なく、おいしく出す方法(PR)
・年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
・元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)