為替展望,見通し
(写真=PIXTA)

26日の東京市場は、ドル円相場が117円22銭で始まったものの、海外市場が祝日のため、休場で、瞬間的に117円を割れる場面もあったものの、概ね117円台前半で推移する、方向感のない展開となった。

27日の東京市場は、前日に続き、方向感の乏しい展開となり、117円台前半で推移した。海外市場では、米12月消費者信頼感指数が良好な結果となったことで、117円63銭まで上昇した。

28日の東京市場は、スポット取引での年内受け渡し最終日ということもあり、輸入系企業のドル買いなどから、117円台後半まで上昇した。海外市場でもドル買いの流れは継続し、117円82銭まで上昇したものの、米国株の下落を嫌気し、117円06銭まで下落した。

29日の東京市場は、前日夜間の流れを引き継ぎ、日本株の下落で、リスクオフの流れとなったことも重なり、116円22銭まで下落した。海外市場では、方向感の乏しい展開となり、116円台半ばでニューヨーククローズとなった。

30日の東京市場は、日本株の下落に連れる形で、116円台前半まで下落したものの、日本株が持ち直すと、再び116円台後半まで上昇した。海外市場では、方向感の乏しい展開となり、116円台後半で推移した。

今週の為替展望

今週注目される経済指標は、1日の中国12月製造業PMI、3日の米12月ISM製造業景況指数、4日の12月FOMCの議事録、5日の米12月ADP雇用統計、米12月ISM非製造業景況指数、6日の米11月貿易収支、米12月雇用統計などである。

今週の外国為替であるが、注目すべきは米雇用統計だろう。12月FOMCでメンバーによるFF金利見通しが上方修正されており、2017年の利上げ回数は3回がされているが、その背景にあるものは、トランプ氏の政策反映だけでなく、雇用統計での失業率低下や賃金の上昇などを反映させたものと考える。だとすれば、2017年最初の雇用統計で市場が失望するような内容となれば、ドル安の流れが加速するはずである。

また、テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、1σと2σの間であり、週足14週のRSIは、70%程度となっていることから、引き続き、過熱感は強いものの、落ち着きを見せ始めている。

以上を考慮すれば、テクニカル面での過熱感があることに加え、雇用統計を控え、シカゴIMMポジションで円売りポジションが大幅に増加している現状からポジションを調整する動きによる上値の重い展開が想定される。

さらに、不確実性の高いトランプ氏の政策を金利見通しに反映させている現状を考えれば、雇用統計の結果についても、良好な結果でのドル高の反応は弱く、寧ろ、悪材料となった場合のドル安の動きが強いものとなるはずであり、やや弱気で考えるのが妥当だろう。(ZUU online 編集部)

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