強すぎるドルが米経済成長率を2011年以来最低水準にまで引きさげていることが、商務省の最新データなどから明らかになった。

トランプ大統領は就任前から懸念を示し、政権交代後のドル安誘導を示唆する発言などが報じられていたが、アナリストは「消費者支出や事業投資の増加で結果的にはバランスがとれる」と楽観的な見解を示している。

マヌーチン米財務長官、新政策策で4%のGDP成長期待

ドル高が続く米国。輸入増加に対して輸出が落ちこみ、第4四半期の実質国内総生産(実質GDP)は予想を0.3ポイント下回る1.9%。3.5%だった第3四半期の約2分の1に低下した。
2016年通期の経済成長率も前年比1ポイント減の1.58%。

G7国ではBrexitの影響で低迷すると予測されていた英国に、1位の座を明けわたす結果となった。2015年は2008年の金融危機以来最高水準の経済成長を記録していただけに、不安感が増すのも無理はない。

昨年米英で起こった大きな変化から市場に不透明感が漂い、貿易やGDP成長率の予測を困難にしていると英ガーディアン紙は報じている。

1月13日、米ウォールストリート・ストリート・ジャーナル紙の取材に応じたトランプ大統領は、ドル高が足かせとなり米企業の競争力が低下している点などを懸念。ドル高がさらに加速する場合、勢いを緩和する方向転換を図る可能性を仄めかした。

しかしトランプ政策を低迷の突破口と見なす声も多く、期待材料はふんだんに用意されているようだ。昨年10月から12月にかけての輸出は4.5%低下したのとは対照的に、経済成長の70%を占める消費者支出は2.5%増。事業投資も2.4%と過去1年間で最高の伸びを見せた。住宅産業も10.2%と前半のスランプから抜けだし、所得も順調に上昇している。

また昨年12月、米連邦準備理事会(FRB)がFF誘導金利目標を引きあげ追加利上げを決定したことも、不透明感を一掃する効果があると期待できるはずだ。ゴールドマン・サックスで17年間にわたり共同経営者を務めたスティーヴン・マヌーチン米財務長官は、昨年の時点で「トランプ政策で4%のGDP成長が見こめる」と、確信に満ちた発言をしている。(ZUU online 編集部)

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